能登半島の地震被害、拡大

2024年01月03日


 3日(水)も昨日に引き続き午前10時10分から官邸での「非常災害対策本部」、その後の農林水産省における「対策本部」がそれぞれ開かれました。官邸での対策本部では昨日より被害が拡大していることが各大臣から報告され、それだけに各省庁大臣の発言も細かなところまで言及され会議は前日より時間を要しました。死者の数もこの日の午前9時段階で57人と増えました。輪島市(24人)、珠洲市(22人)が最も多く、能登半島の先端に行けば行くほど被害が甚大な模様が話を聞いて分かりました。

人材派遣と食料支援を報告
 農林水産関係の被害状況は農地や森林、漁港や漁船の被害ですので、どうしても他の省庁より遅く判明します。私からは、被災自治体へ農林水産省の「サポート・アドバイスチーム」いわゆるMAFFーSATとして延べ37人を派遣、石川県庁に設置されている現地対策本部にも職員を派遣している事を報告しました。避難された方々への食料支援を開始したことも併せて報告しました。
省内会議で北陸農政局など現地活動に感謝の弁】
 官邸会議後の農林水産省対策本部は昨日と同じ省内の第1特別会議室で政務3役と各局の局長クラス、関係課長が出席して昨日と同様に私を本部長として開催されました。私からまず「今般の地震でお亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げ、被害にあわれた全ての方々に心よりお見舞い申し上げます」と発言し、官邸で報告したことと同じように災害状況を共有しました。最後に私から北陸農政局や被災地近隣の森林管理局への労いと感謝の言葉を申し上げました。

目下、漁船の転覆22隻
 農作物等の被害では畜産農家における停電や断水、井戸ポンプの配管破損、共同利用施設、カントリーエレベーター、米倉庫の破損被害など多数が報告されました。漁港の防波堤や岸壁の損傷、更に漁船22隻以上が転覆・座礁している事も報告されました。ため池や農業用ダムはこれまでのところ大きな被害の報告はありませんでした。

パックご飯や即席めんの発送開始
 食料支援では既に「パン」「パックご飯」「即席めん」「粉ミルク」が発送されており、石川県からの要望量の87%を満たしていることが報告されました。今後は避難生活がはじまり、食料・食品の要望も多様化して来ますので、その期待に応える必要もあります。熊本地震の時、私たちが望んだのは「安心できる睡眠」「十分な衛生環境と水の供給とゆったりできる風呂」「いつもと変わらぬ変化のある家庭料理」でした。今回の被災者の要望も同様だと思います。ただ違うのは今後、地域的にも非常に寒くなりますので、それに対する配慮が必要です。

 官邸本部の会議、省内本部の会議は伊勢神宮に参拝予定だった4日も同時刻から開催されます。当分は在京にて被害の情報収集と農林水産省としての司令塔の役割を果たしていくことが最大の任務になります。

写真は農林水産省内の対策本部会議】