マニフェスト

こんな社会を造りたい、こんな政治にしたい

平成17年の第39回東京モーターショーが千葉県の幕張メッセで開幕しました。車は私達が憧れを追い求める象徴です。あるときはスピード性、ある時代は未来型デザイン、次の時代は居住性、そして安全性と私達の欲望を常に先取りして具体的な形で目の前に表現してくれます。
今年、各社が最も力を入れたのは省エネ車でした。日本のメーカーはもちろんドイツもアメリカも経済カーの開発に本気で取り組んでいます。それは世界の流れが経済性と安全性を求めているからでもあります。
情報通信の技術革新は世界を大きく変えました。インターネットで世界の全てがつながります。同時に地球の資源の枯渇も深刻になって来ました。また高齢化社会を迎えて、いかに効率的で安全な生活を送るかという意識も向上してきました。
「情報化社会を基盤にして、経済性と安心、安全で成り立つ社会と生活」が今後の私達が追い求める姿です。
経済性は、無駄をなくそう、資源を大切にしようという言葉になります。
安心と安全は、老後のやすらぎ、健康と食生活の安心感、そして治安の安定という言葉になります。
無駄を無くし、安心して暮らせる社会の建設。これがこれから政治が追わなければならないテーマです。
そのテーマの中に個々の政策が立てられなくてはなりません。そしてこれらを実現させるためには、生活の現場を良く知り、ひたむきに働く政治家が必要です。そんな政治家と政治を目指していきます。

無駄を無くした効率運営のためには…

小さな政府の実現

小さなエンジンで大きなものを効率良く動かすこと―これは物の道理ですが政治にもそれはあてはまります。
小さな政府、つまり政府自体に使う公費を出来る限り抑えることです。
役所機関と役人の数、議会と議員の数がまず第一にあげられます。公務員の数、議員の数を減らすこと、そして無駄な事業への投資をやめること。しかし、この無駄の定義が難しいものです。例えばダム、高速道路は都会では無駄でも地方では必要となります。
戦闘機や1400億円するイージス艦は戦争が起きなかったらこんなに無駄なことはありません。しかし、もしミサイルが飛んでくれば頼りになるのはこれら防衛のための兵器だけです。
なにが無駄か、そうでないかを判断する基準はいくつかあります。「時代」「生活者の感覚」「より身近な人の判断」。これらいくつかの要因を十分駆使して何にお金(予算)を投入するかを考えなくてはいけません。

地方への権限・財源の移譲

無駄かどうか判断するひとつの方法に、その事業を実施する自治体に判断させるという方法があります。
財源を地方に移したうえでダムが無駄かどうか、道路が無駄かどうか、その判断を地方自治体にさせるべきです。地方は国が大半の予算を出してくれるから必要と考えます。これが自らのお金で造らなくてはならないとするならもっと真剣に考えます。そして本当に投資をして取り戻せるかというのを熱心に話し合います。権限と財源を地方・地域に任せるなら地方の人々は無駄なことはしなくなります。無駄をすれば自ら天につばを吐くことになるからです。
そのためにはある程度の自治体規模と受け皿となる地方政府が必要です。それが道州制の実現です。「州政府」に責任と権限をもたせることも大切です。
その上で国は外交、防衛、エネルギー政策、教育、社会保障など骨太の問題に集中すべきです。そして生活に身近なものは地方政府の仕事です。それが「政策の重複」と言う無駄を省くことにつながります。

視野が広く、奥深い教育

国の成り立ちは教育から始まると考えます。子供達の教育ばかりではありません。大人も常に学ぶという姿勢が大切です。
学校教育と家庭教育が二本柱です。学校教育は特に義務教育が大切です。そのためには先生(教師)の資質と経験です。広い視野、さまざまな体験を持った先生を初等教育に充てなくてはいけません。中等教育になるに連れ、学識能力を持つ教師が必要です。
制度としては、6・3制の義務教育の見直しも考えるべきです。
家庭教育は必要最低限のことを家庭で教え、社会と家庭と個人の役割と責任そしてつながりを家庭の責任において教え込まなくてはなりません。そのうえに立って地域社会の教育が重要です。地域というコミュニティで生活する時のルールやマナー、協調性などは地域教育の中で、さまざまな年代の人が、いろんなイベントなどを通して教え込まなくてはいけません。

人材の育成と知的財産の育成

日本の最大の資源は人です。一定の教育をしたあと、専門的な分野をリードする人材育成が欠かせません。世界的な技術者や経済人、スポーツマンなどの育成は大切です。
同時にその人にしか出来ない知的財産を日本の資産として数多く持つべきです。頭脳やノウハウで世界をリードする国となるべきです。そのためには広い視野に立った教育、留学制度の充実、世界的技術の情報収集、民間企業の協力による産学連携が必要です。

少子化への歯止め

人材の教育と育成は一定の出生者がなくては成り立ちません。少子化は国を滅ぼします。結婚対策、育児対策、教育費対策など幅広い少子化対策が求められます。現在の出生率は1.2台です。
まず、結婚して家庭を持つということの教育。出産手当や児童手当を大幅アップする。さらに出産前後の父母の休暇、そして子育て事業。また学童保育の充実など、夫婦が子供を産み、育てることへの不安を取り除くことを考えなくてはなりません。私は少子化総合対策費として年間5000億円の予算付けを、自民党若手議員でつくる少子化対策委員会とともに、厚生労働大臣に要望したところです。

安心して安全な生活と国づくりのためには…

年金、医療、介護、福祉の充実

これらの問題のお金の出所は「自己負担」か「保険費用」か「税金」かの3つに絞られます。利潤を生み出す部分が少ないだけにこの3つのバランスをどう取っていくかが難しいところです。
大きな政府を目指すなら「税金」による支払いのウェートが大きくなり、小さな政府なら「自己負担」となります。中間は保険支払いです。
まず優遇されすぎる部分を改革していかなくてはなりません。国会議員年金、そのほかの年金にも、健康保険にもいくつか残っています。その上でギリギリの自己負担のラインを設定、そして保険料の設定と税による支払いのバランスを考えるべきです。
また、国民年金、厚生年金、各種共済年金(公務員年金)の一元化を進める必要があります。その第一弾として、まず厚生年金、共済年金の一本化です。
難しい作業ですが、高齢化社会を生きぬくためには世代間の協力が必要です。

治安の維持を図り犯罪を少なくするために

以前、日本は世界一安全な国といわれていました。しかし、最近は犯罪が増加し、危険度を増しています。最も効果的なのは厳罰主義にすることです。罰則が甘いと全ての犯罪が容易に行われます。今年から飲酒運転に多額の罰金が課せられるようになりましたが、途端に飲酒運転が減少したそうです。一罰百戒は意味のあることです。
そのうえに立って、犯罪予防のための措置、再犯防止のための仕組みなどが重要です。例えば再犯予防のために保護司の役割などもう一度考えなくてはなりません。また道徳観や倫理、秩序の大切さなど老若男女が総出で取り組むべきです。それらがさまざまな教育の中で体系的に行われる必要があります。今後、警察の役割も益々大きくなります。

雇用の充実

最近は派遣社員が増えています。企業の生き残りを考えるといつでも首を切れる社員が一番便利です。しかし、将来の生活設計を立てられるような雇用の安定が必要です。そのことが仕事への誇りや愛社精神を生み出し、ひいては優れた技術に結びつくはずです。派遣労働者の社会保障の充実、一方で企業の社員に対する責任が求められます。
これまでの日本企業の良さをもう一度認識する必要があります。

第一次産業の活性化

地方や国が本当に元気付くためには農林水産業という一次産業の活性化が欠かせません。また、日本が内需の拡大に努め足腰の強い経済構造にするためにも、農林業振興による自給率の向上は最も大切なことです。
しかし、現実としては農林業は疲弊する一方です。なぜなのかを分析し根本的な改革をする必要があります。農林業は利潤追求という経済行為と集落や国土の維持機能という二つの面も持っています。経済行為のみを重視するなら民間企業の参入が考えられますが、農林業が持つ本来の役割(国土保全や集落の多様な働き)を考えると、民間参入は危険が伴います。
まず、集落の機能を復活させるために、集落営農の法人化を農業者、自らが行うことです。その上で畜産、酪農、野菜、花卉など専門農業は集団経営、単独経営など多様な経営体を認めながら本物の農家の育成に努めなくてはなりません。
一方で、集落営農や担い手農家、中山間地農業に対しては国が責任を持って所得補償をする必要があります。これは税金を投入することですので、消費者をはじめとする国民の合意が必要です。
林業においてもCO2を吸収する国内の森林を守り木材の需要を高めること、そして山村地域を守るための政策づくりと予算投入を積極的に実行していかなくてはなりません。

中小企業の活性化

中小企業は日本経済の重要な柱です。アドバイザー制度、融資制度、投資制度など優良な中小企業を育成するための選択肢を広げる必要があります。
商店街対策については街づくりとセットで街並み改造をしていくことが大切です。現在の街づくり3法(大規模店舗立地法、中心市街地活性化法、都市計画法)を改正して高齢化社会に適応したコンパクトな街づくりをしていかなくてはなりません。

情報通信、交通ネットワークの充実

これらは景気、災害時、日常の生活に大きく影響します。効果的な予算付けが必要です。また民間の資金でつくり、国・県が長期にわたって資金返済していくPFI方式などを駆使して、交通ネットワークなどの基盤整備をより効果的に調査しながら充実させるべきです。

防衛、災害への備え

自衛隊をもっと国民の皆様の理解の下で世界や日本のために縦横に働けるようにしなくてはなりません。また警察、消防は生命と財産を守る要です。消防団組織も国が大切に守っていかなくてはなりません。大災害については国が直接指揮命令を下し、そして災害復旧も国の仕事として責任を持つことが大切です。

  • より活力のある社会へ、そしてより安心できる生活へ
  • 国と地方のキメ細やかな連携と役割分担が必要です
  • 透明度が高く、きれいな政治を基礎としてこれらを実現させるために進んで参ります