営農型太陽光発電に関するPT発足

2023年03月10日


 農地に2メートル以上の柱で太陽光のパネルを設置し、パネルの下で営農するという「営農型太陽光発電」は平成25年にスタートしましたが、10年経って実際にはパネルの下での農作物の生産が行われていないケースがみられるという事が報告され、自民党の総合農林政策調査会でPTを結成し、ヒアリングや現地視察を行ったうえで今後の方針を出すことになりました。その座長を農地政策検討委員会の委員長である私が仰せつかることになり、10日午前8時から自民党本部で第1回の会合を開きました。

 この日は農林水産省から営農型太陽光パネルの実情を聴きました。
同政策は民主党政権時代提案されました。再生可能エネルギー論議が真っ盛りの頃で、一定の高さを持った太陽光を設置し、その下で作物をつくれば、自然エネルギーも生まれるし農業所得も上がる、一挙両得であるという考え方からでした。

 自民党が政権を取り戻した平成25年にスタートし、FIT(買取価格)が非常に高かったこともあって、令和2年までは右肩上がりで増加しました。令和2年時点で農地の一時転用の許可数は3,474件、面積は873haに及びました。その後FITの価格が低下したこともあり件数は頭打ちになっています。

 問題は、太陽光パネルの下でどのような営農が行われているかですが、最も多いのが神棚に飾る「さかき」や観賞用の「しきみ」「せんりょう」などで、これまで当該地域では栽培されなかった樹木類です。そのほかイモ類やネギ、フキ、ウド、ワラビ、ドクダミ、ミョウガ、かんきつ類が主です。日陰で育つ植物が中心です。
耕作者は地主である農業者が耕作していたり、電力会社に丸投げされていたりで様々なようです。

 農水省の説明では、やはり当初の狙いから外れている部分もあることが一定程度分かりました。今後、関係者からのヒアリング、現地視察などを行い、最終的にこの夏に向けて対応策を出す予定です。

 農地を効果的に使うことと、かけがえのない農地を守る事、農家所得を少しでも引き上げるための対応など、相反する課題を含みながら出口に向け論議を重ねていきます。改めて難しい課題に取り組むことになりました。
写真は営農型太陽光発電現場