生業への大臣表彰に感激

2023年03月14日


 13日月曜日は本来なら、自民党本部で物価高騰対策を論議する政務調査会の全体会合や情報通信調査会などがあり、それらに出席して情勢を聴くのと同時に自らの意見を述べなくてはならなかったんですが、地元で私が良く行く散髪屋さんと豆腐をつくっている若手の社長さんが、それぞれに「厚生労働大臣表彰」を受賞され、その祝賀会が熊本でありましたので出席させて頂きました。

 理髪業をやられている方は上益城郡山都町の飯干英二さん(56)、その名の通り「英二」という理髪店を営んでおられます。中学校を出て自ら理髪の道を選び、神戸で修行をして地元に帰り理髪店を開業されて、現在は県の理容業組合の副理事長をされています。この道に入って40年、開業・独立して24年ということでした。奥さんと2人で理髪業を営み、ざっくばらんで面倒見がいい方で、理髪店にはいつも人が集まっています。このため祝賀会には、理髪業関係者だけでなく、地元の友人ら40人ほどが参加されていました。その人柄があふれる祝賀会でした。

 一方、豆腐製造業は菊池郡菊陽町の「株式会社オーケーフーズ」の大島政治さん(59)とその息子さん。江戸時代から167年続く老舗の豆腐製造業で、地元の大豆農家の方と契約した国産大豆「フクユタカ」の品種と熊本の地下水にこだわり、豆腐作りを代々受け継いで来られた4代目です。
 私も国会議員で結成する「日本の豆腐文化を守る議員連盟」(会長・林芳正外務大臣)に加入していますが、日本の豆腐は最高の技術で作られるおいしい食材ですが、手間暇をかける割には価格が安く、厳しい経営を強いられています。ベトナムや台湾、韓国にも豆腐はありますが価格は日本の2倍以上はします。しかも海外の豆腐は煮物や鍋で食べるのが一般的ですが、日本の豆腐は生でそのまま醤油をかけて食べられるという、「植物性蛋白質の栄養素」と「きめ細やかさ」と「おいしさ」と「安全性」を備えた「国民食」です。
 豆腐は「白物4品」(しろもの4しな)と言われ、タマゴ、牛乳、食パンとともに消費期限が短く食卓に上る回数が頻繁なだけに、スーパーなどの看板食品にされ最も安く鮮度を保って販売されています。食品業界では「犠牲的食品」とも言われています。
 こちらの祝賀会も業界だけでなく菊陽の町民も一緒になっての祝賀でした。

 双方ともその職業、生業に誇りを持ち、その道一筋でやってこられた名人です。我が国はこのような個人の卓越した技術と個人商店で独特の文化とコミュニティーを形成しているという事を改めて認識しました。
 出席して、地域社会のみんなで楽しみ、協力しながら生活していく姿、そして職業や技術の歴史や伝統を守ろうとする努力が素晴らしいと感じました。こういう方々があっての日本であるとも感じ入りました。
 自民党の会合をキャンセルはしましたが、受賞に至るまでの努力を聴いていると多くの感動を与えてくれました。地域社会の助け合いと職人気質の一途な気持ちがどれほど大切かも教えられました。
写真はオーケーフーズの大島親子。豆腐をつくる時の作業服で登場されました】