酪農危機突破のための全国緊急集会

2022年09月07日

 7日(水)、自民党本部8階ホールで「酪農危機を突破するための全国酪農民緊急特別集会」がありました。全国から250人の酪農家が出席され、自民党議員に経営の厳しさを訴えられ、早急な対策を要請されました。

 以前にも書いた通り、ロシアによるウクライナ戦争や北アメリカ等の干ばつ、海上輸送費の高騰や円安などで全業種厳しい状況ですが、とりわけ酪農家はどうにもならない状態です。
 配合飼料、輸入の乾牧草が高騰しています。特に牧草は今年の1月から2倍近く値上がりしています。並行して配合飼料も値上がりしています。

 乳牛の飼養管理はデリケートです。乳質を高くしなくてはなりません。そして出来るだけ乳量を増やさなくてはなりません。そのためには干し草などの粗飼料、つまり人間でいえばご飯に相当するものと、カロリーが高い配合飼料(濃厚飼料)いわゆるおかずに当たるものをバランスよく食べさせなくてはなりません。それ以外にもワラ類や塩分も必要で、万全の給餌をして初めて乳牛がお乳を出します。そして毎日の搾乳作業です。使用管理は他の畜種より複雑です。そのような何段階もの管理が必要なことから、ひとつが価格高騰するとその他の物も連動して値上がりし、経営が厳しくなります。
 おまけに、コロナで全体の牛乳の消費が頭打ちで、11月からの乳価の価格改定はありましたがそれだけでは厳しい状況で、まさに「今年いっぱいどのくらい生き残れるか」と酪農団体幹部の方はおっしゃっていました。

 この日は窮状を訴えるため、熊本、徳島、埼玉、秋田の代表が一人ずつ我が家の実情を訴えられました。全てが家族経営です。熊本を除く3人は中心になって働いておられる母親で「何としても後継者として子どもたちに後を継いでもらいたいが、今の経営状況で子供たちに大変な苦労をさせるのではないか心配で仕方ない」と訴えられました。

 それに応えて自民党酪政会の会長である千葉11区選出の森英介衆議院議員も、用意された原稿を読まずに「皆さんの訴えに胸が詰まる思いだ。経営が持続できるように全力を尽くす」と自らの言葉で応えられました。

 農業団体の緊急集会はこれまでは日比谷公園などで行われていましたが、コロナで大規模集会は出来ず、規模を縮小して自民党本部等で開催されることが多くなりました。それだけ要請を受ける私たちも切迫感があります。この日出席した議員は一様に実態の厳しさを受け止めたように、神妙な顔をしていました。

 いよいよ早急に手を打っていかなくてはなりません。政府に強く求めていきます。