少子化対策に不満意見

2022年08月31日

 30日(火)、自民党少子化対策調査会(衛藤晟一会長)が開かれ、令和5年度の少子化対策関連予算が報告されました。昨年の秋から自民党の少子化対策は、「特別委員会」から一段格を挙げて「調査会」に位置付けられました。それだけ年間の出生者数が約81万人と、ひところの3分の1になった現在、自民党の危機感を表すものでした。更にこども家庭庁の発足も控え、出生率が低下する一方のわが国の少子化に一定の歯止めをかけることに、調査会の会長代行である私も含めて意気込んでいました。
 政府の方も令和5年度骨太の方針(重要政策)の3本柱として「防衛関係の安全保障」「デジタルへの転換」と並んで「少子化への対策」が立てられていましたので。令和5年度予算に向けた概算要求額に期待しました。

 しかし、予算的にある程度伸びてはいるものの、「少子化対策元年」というほどの思い切った政策は見られず、「がっかりした」という意見と「こども家庭庁」に対しても「少子化対策は自治体が力を入れないといけないが、地方自治体との連携の姿が見えない」などの意見が続出しました。

 少子化対策は結婚、妊娠前、妊娠、出産、産後、乳幼児期、学齢期以降など一連のライフステージにおいて、連続した対策があって初めて成果が期待出来ます。そのためにはこれまでをかなり上回る財源が必要になりますが、その財源への意欲が感じられない内容でした。防衛費やデジタルトランスフォーメーション関連費に比べるとインパクトに欠けると言わざるを得ないものでした。

 とりわけ、この3年間コロナの影響で結婚件数が約15万件減少しています。50歳の独身男性が26%にも及んでいます。特に地方に行けば行くほど独身男性の割合が増えます。女性が地方から都市部へ移動して地方に帰ってこないのが一因です。そのことを考えると、結婚対策、女性の地方における職場提供の拡大、そして働き方改革など、まずは結婚して子供を産みたくなる環境をつくらなくてはなりませんが、それらへの政策が見られません。

 もちろん、予算については全体の枠がはめられています。他省庁との横の連携も必要になって来ます。それを新たな「こども家庭庁」が担う訳ですが、まだ「こども家庭庁」が設立準備室の段階で十分な影響力が発揮できないことも一因になっているようです。

 いきなりの予算増加や思い切ったライフステージへの改善などはなかなか難しい事ですが、このまま少子化が進めば確実に国家の危機、そして国力も弱まる一方ですので、今後機会あるごとに少子化対策については意見を述べていきたいと思います。
 子どもの声が響き渡る街や地方にしていくことが、国の将来への希望に繋がります