酪農・畜産農家からの悲鳴

2022年06月07日

 この2か月ほど酪農や畜産農家から、経営の窮状を訴える声が相次ぐようになりました。6日(月)も大型酪農家から「もうやめざるを得ない」という電話をいただきました。

 ロシアのウクライナ侵略戦争は穀物相場の高騰を招き、配合飼料や資材の高騰、肥料の高騰等を引き起こしました。加えて新型コロナウイルス感染症による牛乳や肉類の需要の低迷があります。二重苦三重苦の下で酪農、肉牛、養豚、養鶏、どの分野も大変な状況です。地元農協に電話して聞くと、「餌代の未払いがこの1か月で1億円に達している。売り上げも昨年同期より7億円落ちている」と悲痛な答えが返って来ました。

 畜産は生き物を飼っています。コストがアップしたからといって生産ラインを止めることは出来ません。毎日飼料を食べさせなくてはなりません。それも乳量を増やすために、肉質を良くするためにトウモロコシやフスマ、麦ぬかなどを混ぜ合わせた高タンパク、高カロリーの配合飼料が必要です。これらはほとんどが輸入に頼っています。その穀物の一つ一つが高騰していますので配合した飼料はこれまでと比べ物にならないくらいの高値になります。各農家はかなり考えながら、餌の食べさせ方の工夫など様々な取り組みをされていますが追いつけません。

 加えて酪農を中心に大型化、多頭化が進みロボット搾乳機など高額なスマート機器が導入され、補助はあるものの、その借金による返済費用も大きな負担となっています。

 私たちとしてはとりあえず2兆7千億円の補正予算(令和4年度補正予算)で、急場を凌いでいただきますが、参議院選挙が終われば直ちに本格的な補正予算を組まなくてはそれぞれの農家経営が成り立ちません。

 昨日は日本養豚協会の幹部の皆さんと意見交換をしましたが、深刻さでいっぱいでした。
 我が国の食料を守るために、輸入にばかり頼らない、自らの自給飼料などをつくる構造改革をしていかなくてはなりません。食料安全保障の観点からこれまでの政策の在り方も見直していく必要があります。
 酪農・畜産への対応は待ったなしの状況です。