佐渡金山の世界遺産を目指して議連で現地視察

2022年05月07日

 6、7日(金、土)の両日、「佐渡金山の世界遺産を実現する議員連盟」(中曽根弘文会長)で佐渡市の金山跡に視察に行きました。参加したのは議員連盟の衆参議員21人、更に新潟県知事や佐渡市長、文化庁や外務省なども同行していただきました。

 私にとっては初めての佐渡です。すんなりと世界遺産への登録が進むかと思っていましたが、韓国から「強制労働を強いられた歴史がある」というクレームが付き、しかも世界遺産を審査する世界機関「イコモス」の議長国がロシアであるために現在審査や理事会が延期されています。しかしこのような理由で世界遺産を逃すわけにはいきませんので実際に現地で色々な話を聴いてみようと実施したものです。

 東京駅から新幹線で新潟駅まで約2時間、そして新潟港から佐渡市の両津港まで約1時間、バスで現地まで40分の行程です。朝7時4分の新幹線ですので赤坂の宿舎を6時30分に出ました。

 「きらりうむ」という全体を説明するガイダンス施設で話を聴き、映像を見て全体像を頭に入れました。金銀の採鉱屈と砂金を取る地域の2か所があり、まず奉行所、そして採鉱屈が行われた「佐渡金山」の相川鶴子(あいかわつるし)金銀山の坑道に入りました。当時の模様を人形を使い実現させてありリアルな状況を知ることが出来ました。2日目は砂金が取れた西三川金山(にしみかわきんざん)へ。砂金が埋まっているところを発見して、上流に堤をつくり水を溜め、一気に流すことで余分な土砂を流し去り、砂金だけを選り分けるというダイナミックな砂金の採取場を見ました。

 両方を見て驚いたのは金鉱石を採取し、粉上に砕き、塩を混ぜて熱することで金と銀の選り分け、更に金を熱して小判をつくるという高度な技術が海外との交易がない江戸期に確立し、それが明治まで続き約300年近く我が国の貨幣経済を支えていたという事です。塩の混ぜ方、熱し方、金の鋳造の仕方、どれをとっても世界一流の技術でした。このようなゴールドアイランドは世界には存在しません。まさに世界遺産そのものという気がしました。

 韓国から「強制労働の動員があった」とクレームがついていますが、当時は金銀採掘で豊かな地域であったために、鉱夫の待遇もよく公募による募集があり競争率も高く強制労働はあり得ない、ということでした。実際に能楽堂が37か所もあり、全国から技術者が参集し、能をはじめとする全国各地の文化が佐渡で花開き、高度な文化と経済が展開されていた地域と分かりました。金の坑道は硬いため、炭鉱のように落盤もなく安全な生活が行われ、相川地域や西三河地域はその街並みを守るための住民活動も盛んでした。

 我が国の技術の高さを改めて知り、新潟の方々の世界遺産登録に向けた努力をつくづくと感じ取りました。ハードスケジュールでしたが充実した視察でした。