憲法フォーラム講演は不出来

2022年05月05日

 4日(水)午前10時から菊池郡菊陽町の図書館ホールで「熊本三区憲法改正フォーラム」を開催しました。主催者は自由民主党熊本県第三選挙区支部です。選挙区内から市町村の首長さん、議員さん、それぞれの後援会の皆さん200人以上が参加していただきました。毎年憲法記念日に行っているものですが、特に今年は憲法改正の機運が盛り上がってますので、私も気合を入れて講演の準備をしました。

 前川收自民党県連会長、荒木泰臣全国町村会長(嘉島町長)が来賓として挨拶され、党本部から送られてきたDVDが流された後、私の憲法改正についての講演に移りました。

 講演の構成は憲法の前文について日本国憲法と各国の憲法を比較しました。日本国憲法がいかに自らの国の歴史や民族的誇りの記述が少なく、ほぼ国民主権と平和のみの文言が並んでいるかなど、諸外国の憲法と前文としてはかなり異質であることを強調しました。

 その後、自民党が憲法改正の四項目として掲げている「9条に自衛隊を明記する事」「緊急事態条項の追加」「合区の解消をはじめとする人口だけで定数を決めない選挙制度」「教育に関しての国の責務」について一つ一つその論拠となるところを説明していきました。

 特に9条改正は、ロシアがウクライナを侵略している時です。「今日のウクライナが明日の台湾有事になる」という危険性を、中国の近年の軍事力増強や習近平体制の今後10年間の独裁体制の確立、中国にとって台湾統一は国家としての核心的利益であること、などを説明しながら、スクリーンで日本を取り巻く各国の軍事力、中国の太平洋における第1列島線から第3列島線までの海洋戦略、台湾有事のシナリオ、とりわけ単なる武力だけでなく、ハイブリッド戦がどの様にして行われるかを、図とアニメーションを使いながら解説しました。
 そのために9条をどう変えるべきか、平成24年の自民党の改正案と、30年の改正案の違い、などもスクリーンに映しました。台湾有事に備えた日米共同の指揮命令システムが未だ準備されていないことを懸念するアメリカの前国務副長官のリチャード・アーミテージ氏の新聞への投稿を例にとり、憲法改正を経て日米の指揮命令系統の確立の重要性を話しました。

 緊急事態の追加に対してはすでに世界の憲法の93%が「緊急事態条項」を持ってることなどを述べ、1票の格差の問題ではこのままの憲法では衆議院は次の選挙は10増10減、2030年には13増13減、2040年には16増16減にしなければ「1票の平等」を謳っている憲法に違反する事に触れ、都市部だけ国会議員の数が多くなることへの選挙制度の歪(ひずみ)を述べ、人口以外の行政区の重視を含めた憲法の改正を訴えました。
 教育についても、石油などの資源もなく国土も狭い我が国の一番の資源は「人材」であることから、国家が責任をもって最終の教育まで当たらなければならない責務があることを強調しました。

 熱弁をふるいましたが、あまりにも内容を欲張ったために約1時間を費やしました。説明調の講演のために抑揚がなく、退屈された方もいらっしゃったように思います。おまけにプロジェクターの調子もよくなく、強調すべきところをアニメーションで動きのある線で指し示すことが出来ませんでした。私にとっては近年では最も不出来な講演でした。反省の限りです。

 まず、講演は30分前後に抑える事、知っていることをすべて述べるのではなく、本当に重要なところを抜き出して喋る事、強調する部分は特に様々な手段を使って訴える事、等に心掛けなければならないことを改めて痛感しました。

 講演終了後に「分かり易くて良かった」と言っていただいた方もおられましたが、私としては100点満点の20点程度でした。その日の夜も何が良くなかったのか、深く悩みました。

 来年に向けて「捲土重来」を期すしかありません。