参議院は決算重視

2021年06月07日

 7日(月)午後1時から参議院決算委員会が午後5時40分までありました。総理以下全閣僚出席です。審議するのは令和元年度の決算です。与野党9人の議員が質問に立ち、最後は決算上問題がある事項に対しては「警告決議」というのが出され、担当大臣はその決議に対処するよう求められました。参議院の決算重視の姿勢を感じました。

 というのも、日本国憲法に基づく「衆議院の優越」というのがあり「予算の決議」「条約の承認」「内閣総理大臣の指名」は衆議院で決められたことが優先し、一定期間が経過すると衆議院の決議が自動的に決まります。そのため衆議院は予算委員会が花形で、予算委員会で衆議院が可決すると当該年度の予算の成否を巡る攻防は一段落した格好になります。

 そこで参議院では、逆に決算を重視し、過年度の決算について総理、各大臣が勢ぞろいして念入りに審議をする、という訳です。この日はもちろん新型コロナの感染対策やオリンピックパラリンピックの開催など現在の課題についての質疑もありましたが、同時に過去の予算の使途などについて様々な指摘がありました。
 私も最初から閣僚席に座り、予定では1問の質問に答弁しなくてはならないかもしれないと言われていましたので、ある程度の緊張感をもって座っていましたが、総理が答弁され、私の答弁はありませんでした。

 ただ最後に「警告決議」というのがあり、令和元年度決算で予算の使途に問題がある、と思われるものや補助金が適正に執行されなかったりした案件については、警告が決議されます。その中に私の管轄である「企業主導型保育事業における病児保育の未実施等」について警告する文書が決議されました。そのため私が答弁席で「警告決議の趣旨を踏まえて適切に対処して参ります」と大臣として発言することとなりました。他にも、警告までは至らないけれども政府に反省や対応を求める「措置要求決議」というものもあります。
 同じような警告決議は8件ほどあり、措置要求決議と併せて10人の大臣が今後、適切に対処して行くという事を答弁しました。

 参議院は衆議院とはまた違った厳しさがあります。ハウスの違いを感じさせられます。2院制の意義を改めて感じました。

 これで今国会の主な委員会はほとんど終了です。衆議院の内閣委員会の一般的質疑が行われるかもしれませんが「出口」は見えてきました。しかし会期末の6月16日まで何が起きるかわかりませんので、慎重に行動、発言します。一方で舞台は来年度の政策についての「骨太の方針」の策定に移ります。