少子化対策で講演を聞く

2021年06月01日

 経済再生担当大臣の西村康稔氏が個人的に主催している勉強会「戦略研究会」が1日午前11時45分から議員会館で開催されましたので、久々に顔を出しました。西村大臣とは平成15年の同期当選組。当時、保守系無所属で立候補し現職の自民党公認候補を破って当選してきた議員が私を含めて5人いましたが、そのうちの一人です。5人は当時、西村氏の勧めで「無所属改革クラブ」という会派を結成し、しばらく一緒に行動していました。そういう縁もあり、西村大臣の主催する勉強会には会員として登録しています。ただ私が大臣になってから欠席が続いていました。

 しかし、この日は東大大学院経済学研究科教授の山口慎太郎先生が「少子化対策の決め手とは」というテーマで講演されましたので少子化対策担当大臣としても関心があり、出かけた次第です。山口先生は経済学者の視点で少子化対策に取り組んでおられ「子育て支援の経済学」という著書があります。少子化対策に関心を持つ国会議員は大半が読んでいるという書物です。与野党の議員がこの書物の中で書かれた問題点や方向性、データを切り出して質問をして来ることもありました。私も読みましたが、経済学者の立場から少子化対策を述べた書物ですので説得力もあります。

 講演は本会議が開かれる午後1時前までの約1時間。主要国の水準からみた日本の子育て支援の財政支出の低さや先進国の中では子どもの貧困率が高いことなどを示されました。そして胎児期から乳幼児期の貧困が生涯に与える悪影響を、学童期と成人後に分けて説明され、一方で貧困を削減した時生み出される経済的利益を数字を使って挙げられました。それ故に「少子化対策は次世代への投資である」という書物に書いておられる少子化に対する経済投資理論を展開されました。さらに、優先順位の高い少子化対策として➀待機児童の完全解消➁男性の育休取得推進➂働き方改革、などを挙げられました。

 講演後質問も相次ぎ、あっという間の1時間でした。私は政府の少子化対策を担当している立場ですので、質問は控え今の政策を少しばかり説明しました。少子化対策は各国が知恵を絞り合計特殊出生率を引き上げるために努力しています。しかしコロナ禍の中で結婚、妊娠、出産の届け出数が減少していますので、わが国だけでなく各国も頭を抱えている問題です。
 この日の講演内容も参考にしながら今後、政策を更に進めて行きます。

 午後4時半からは、先に孤独・孤立対策担当室の政策参与としてお願いした、元厚生労働次官の村木厚子さんとNPО理事長の大西連さんへ、大臣室で辞令交付をしました。任命権者は菅総理大臣です。お二人とも大変忙しい方ですが快く引き受けていただき、NPО間の横の連携をとるために様々なアドバイスをいただきます。

 村木さんからは「6年ほど行政を離れているが、離れているからこそ見えてくるものがあるかもしれない」と抱負を語っていただきました。
 二人の活躍に期待します。