激戦必至「スーパーシティー構想」

2021年04月23日

 23日(金)、スーパーシティーの選定で午前中、和歌山県知事が大臣室にお見えになり「南紀熊野スーパーシティー構想」を説明して行かれました。午後には四国高松市の市長が「高松スーパーシティー構想・FACT」をオンラインで説明されました。

 「スーパーシティー構想」は内閣府が打ち上げた構想で担当大臣は私です。AIやビックデータを活用して社会の在り方を根本から変え、世界で最も先端的な未来都市を建設しようという構想です。選定されれば財政措置をはじめ様々な支援が講じられます。
 昨年5月に「スーパーシティー法(国家戦略特区法の一部改正法)」が成立しました。人の動きをはじめとする様々なデータベースが必要で、車の自動運転なども伴う未来都市の建設ですので、大胆な規制緩和が必要です。このため地方ではあまり手を挙げる自治体は出ないだろうという意見も多く、法案も1度流れやっと成立した法律でした。自治体からの応募にもよりますが、当初5地域ほどを選定するという見込みで、昨年12月25日に募集を開始して4月16日に締め切りました。難産の末の法律でもありましたので、20地域も応募があれば良い方だろう、と思っていました。

 ところが、応募を締め切ってみると、大都市から中小都市、そして3000人ほどの過疎の町まで31の自治体から応募がありました。私のところにもそれぞれの自治体の首長さんが説明に来られたり、構想を持参されたり、電話で説明されたりしました。どの構想も市町村や県、大学、民間研究機関などが共同で総力を挙げてつくり上げた構想ばかりで、目を見張るばかりの精度の高い構想です。
 内容も働き方を変える構想や防災への備え、人口流入を促す仕掛けや観光客増加、子どもの教育へのAI、データベースの活用など多種多彩です。各自治体の能力の高さ、将来に向けて、なんとしてでも未来の地域をつくり上げようという熱意を感じるものばかりです。地域の規制緩和についてはほとんどアレルギーがないことも驚きでした。
 当初の見込みは大きく外れました。「大きく化けた」とも言って良いのかもしれません。それだけ各地域が現状からの脱皮と新たな時代に向け様々な模索をしているという事の表れでもあるようです。

 これから、夏にかけて選定作業が始まりますが、選考については、国家戦略特区諮問会議の有識者議員の先生方に審議していただくことになりますが、更に多様な視点から審査していただくためにデジタルや規制改革などの知見をお持ちの専門委員を増やしました。いずれ劣らぬ構想ばかりですので有識者、専門家泣かせの審査になって行くことになるかも知れません。

 自治体の「現状に対する渇き」や「未来への模索と貪欲さ」を垣間見る思いです。