コロナ禍で少子化深刻に

2021年02月24日

 22日に厚生労働省が昨年の出生者数を発表しました。人口動態統計速報によるもので、あくまでも速報値であり、正確な数値は概数が6月くらいに、確定値が9月に例年発表されます。しかし、速報値でも大きな目安にはなります。

 その結果2020年の出生者数は前年より2・9パーセント減少して87万2689人でした。これで5年連続で過去最少となります。この数字は我が国で生まれた外国人の赤ちゃんも含まれ、さらに海外で生まれた日本人の赤ちゃんも含まれます。わが国で生まれた日本人の子供を機械的に計算(86万5,239人の2.9パーセント減)すると、84万人ほどになります。

 2019年に私たちは「86万人ショック」というのを受けました。それまでは100万人前後の出生者数だったのですが、2018年の91万人から5万人と大きく減少し、ついに80万人台まで少なくなったという事で大変な騒ぎでした。それが昨年は80万人の前半になるのです。私は昭和25年生まれですが、そのころは250万人生まれていたのです。その3分の1の出生者数になってしまったという事です。減少の激しさに驚くばかり、隔世の感がします。我が国にとって大変な危機です。

 しかもさらに深刻なのは、昨年の婚姻届けが一昨年より12・7パーセントも減少しているという事です。日本ではほとんどが結婚したカップルから子供が生まれますので、結婚する方が1割以上少なかったということは、今後の出生数も少なくとも1割以上は減少するということになりかねません。驚く限りです。これまでの構造的な少子化の流れに加え、新型コロナウイルスの感染拡大が大きな影響を与えています。

 少子化対策担当大臣として、拍車がかかる少子化にどう対応して行くか、難しい局面に立たされます。今日(24日)内閣委員会で、今回のデータに基づいた少子化に対する質問が2人の野党議員から出ました。この後も更に衆参の委員会などで質問が出そうです。結婚、妊娠、出産、子育て、とライフステージに合わせてそれぞれの充実策をしていかなくてはなりません。

 先日から孤独・孤立対策に追われていましたが、少子化対策もこれまで以上に進めなくては、十数年後には大変なことになります。

 「孤独」「自殺者増」「少子化」への対策はそれぞれすぐには結果が出ませんが、強い使命感で臨まなくてはなりません。様々な課題が重く肩にのしかかります。

 明日(25日)は、孤独・孤立に対しての緊急フォーラムを開催し、現場で孤独を感じている方々に様々な支援をしていただいているNPО活動の代表者の方々に集まっていただき、現場の声を聴きます。

 「孤独」対策に加え、我が国の懸案である「少子化対策」。気が抜けない日が続きます。