豪雨被害、コロナなかりせば

2020年08月05日

 歴史にIFは許されませんが、もし新型コロナの蔓延がなく、豪雨による人吉球磨地方や八代芦北地域の大被害がなければ、今頃は東京オリンピックで日本中が大変な盛り上がり様だったと思います。日中の気温は高いのですが、夕方からはかなり涼しくなってきます。各種目も夕方から、または屋内が多かったので、真夏の炎天下ではありますが、白熱戦が連日展開されていたであろうと思うと残念で仕方ありません。

 しかし、今回は自然災害です。コロナは中国が発生源だとは言え、いつかは人類が経験する事だったのかもしれません。それを考えると、1940年(昭和15年)の第2次世界大戦勃発による東京オリンピックの中止は、人類が引き起こしたもので世紀の祭典を中止せざるを得なかったことは、なんと愚かなことだったのかと思います。

 コロナの世界的感染で、政情が不安定化しています。米中貿易摩擦はさらにエスカレートしつつあります。中国も自分の国が感染源でありながら、反省、協調のそぶりは見せず、ワクチン開発や南シナ海、東シナ海、香港問題などで世界の自由主義陣営との溝を大きくしています。この状況だと、コロナが一段落した後の世界の経済や領有問題による衝突が心配です。特に全世界経済が疲弊して、みんなの気持ちがささくれ立ってるとき、人のせいや他国のせいにしがちです。歴史は繰り返しがちです。1940年代も第1次世界大戦後の恨みつらみが遠因でした。繰り返さない政治的努力が必要です。

 新型コロナは「耐える」「乗り越えるために前に進む」つまり「精神力」と医療をはじめとする「科学の力」しかありません。日本は幸い双方ともその力を持っています。「これからが我が国の時代」ーと秘かに思いながら静かに進むこと、が我が国をもう一回り大きくします。