畜産酪農への支援、最大限の成果

2023年03月25日

 

 


 飼料などの価格高騰で経営に苦しむ、畜産・酪農の農家に対しての支援策が24日(金)、政府から自民党に報告されました。私たちが要望していた支援に添うもので、政府も現在の経営状況の深刻さをしっかりと理解した結果だと思います。

 ロシアによるウクライナ侵攻、異常気象、流通経費の高騰などで飼料や電気代などが高騰しています。配合飼料は、ほとんどがアメリカなどからの輸入です。昨年の前半までは、1トン当たり8万円前後でしたが昨年半ば以降は10万円前後に跳ね上がりました。電気代も石油高騰と円安の影響を受け、搾乳などで電気を使う酪農はとりわけ厳しい経営に立たされています。加えて近年、大規模化、デジタル化で多くの酪農家が畜産クラスター事業という補助事業を使い機械化、装置化を進めてきました。しかしクラスター事業の補助率は最大50%で半分は自己資金若しくは借り入れ金です。

 例えばロボット搾乳機は人手を使わずに自動的に搾乳室に乳牛が入り、自動的に搾乳機が接着し搾乳を開始します。搾乳量のデータも表れ、乳牛の健康状態も判断することが出来るという先端的な機器ですが、一機3000万円程します。一機当たりの許容搾乳牛は60頭、120頭の乳牛を飼っている農家は2機必要になり6000万円程。畜舎もロボット搾乳が可能なように改築しなければなりません。このため酪農家の借入金は50%の補助があるといえども膨大なものになり、その返済に追われるという実態があります。そこに来て飼料や電気代の高騰です。打撃は大きいのが現実です。

 今回、配合飼料に対しては、価格安定基金という制度があり、その制度に入っていれば一定の支援が出る仕組みになってますが、それでもそれまでの飼料価格との開きがあるため1トン当たり8,500円の緊急補填をすることになりました。また酪農に対しては電気代も含め様々な経費で厳しい状況のため、1頭当たり10,000円を補助することになりました。

 また輸入配合飼料を購入せず、輸入のマルツブのトウモロコシを自分たちで購入し大豆カスなどを混ぜて自ら飼料を作る「自家配合飼料農家」に対しても1トン当たり1,200円の支援をすることになりました。

 これらはいずれも今年1月から3月まで、いわゆる令和4年度第4四半期の支援策です。まずは一息つく農家も多いと思います。しかし令和5年度から飼料価格がどうなるのかは、まだ分かりません。酪農、肉牛、養豚、養鶏などの農家にとっては不安な日々が続きます。しかし、ここはしっかりと支援しながら、日本の畜産・酪農家を守っていかなくてはなりません。

 懸命の政治活動とこれからの畜産・酪農に対しての新たな政策づくりも求められます。

写真は私の地元の酪農家「西本ファーム」の牛舎