令和5年度予算 概算要求の基本方針提示

2022年07月27日

 27日午後2時から自民党本部で「政調全体会議」が開かれ、令和5年度予算の概算要求に当たっての基本的方針が財務省から報告されました。
 例年、次年度の予算要求にあたって財務省が基本方針を各省庁に提示するもので、自民党にもこの日の提示となりました。

 令和4年度方針と同じように、「地方交付税」(4年度15.9兆円)「年金・医療等」(34.1兆円)「裁量的経費」(14.9兆円)「義務的経費」(13.3兆円)の4領域に分けて各省庁が要求します。その際、地方交付税はこれからの地方財政対策を考慮しながらの額になります。年金・医療は高齢化の進展とともに上がり、今年はおおむね5000億円程度のプラスとなるようです。義務的経費は人件費などで、人員削減などで一定程度引き下げることになっています。

 問題は「裁量的経費」と言われる、一般にいう事業関連経費です。各省庁にとってやりたい事業が数多くありますが、その中でも絞り込んで予算を取りにいかなくてはなりません。
 財務省はその「裁量的経費」については一律に10%削減し、「重要政策推進枠」というのを設けて、その重要政策に適合すれば、マイナス10パーセント分の3倍、30%を上乗せするという仕組みになっています。昨年も同じような仕組みでした。そうすることによって3分の2の政策がリニューアルされる、という考え方です。

 重要政策としては「人、科学技術・イノベーション、スタートアップ、グリーントランスフォーメーション、デジタルトランスフォーメーション」などです。これらに関する予算については3倍増の中に組み込まれます。
 しかし、コロナ対策や燃油高騰、物価高騰、中期防衛整備計画、少子化対策・こども政策に関する経費などは、重要政策とは別に岸田政権の目玉でもありますので、別途予算編成過程において特別に検討する、という事でした。

 コロナ対策やロシアの侵略によるウクライナ戦争への新たな国の政策など、課題山積の5年度予算です。加えてこども関連予算の倍増や新しい資本主義などの政策を岸田政権は掲げています。
 いざ予算要求になるとかなり厳しい意見が出て来ることは必至です。どこの省庁も予算獲得のために目の色を変えてきます。

 この日も「食料安保に関する予算は要求という事できちんと措置してもらわなくては困る」「こども家庭庁の創設にふさわしい予算額でなくては許されない」「参議院選挙で経済安全保障に関する要望をひしひしと感じた。大幅な増額は国民との約束である」などの激しい意見が続出しました。

 これから、9月にかけて限られた財源の中での予算増額の要求が始まります。着地点がどのようになるか全く見通せません。