大使着任、陛下への信任状奉呈式

2021年09月27日

 27日(月)、皇居で、外国大使着任の天皇陛下への信任状奉呈式が行われ、当番大臣として宮中へ参内しました。
 信任状奉呈式は、新しく駐日大使として着任した大使が、国の元首から「この人物に元首として全権をゆだねる」という信任状を我が国の元首である天皇陛下に奉呈する儀式です。大使だけでなく、公使や1等書記官ら大使館の主要メンバーを従えて陛下にお目にかかります。

 私の役割は、大使らご一行が陛下の前に進まれるまでの間、控室で大使のお相手をして、更に陛下に手渡された信任状を私がいったんお預かりし、陛下が退出されるまで見守るというものです。各大臣が順番に当番制で役割を務めます。
 昨年11月にオーストラリアとフランスの大使の信任状奉呈式で初めて体験しました。

 今回の大使は、ウズベキスタンの駐日大使アブドラ・フモノフ大使とアフリカ・ボツワナのモラケ大使でした。ウズベキスタンの大使は北海道大学や小樽商科大学で教えたり、学んだりされていたこともあり日本語が堪能で非常に親日家の方です。私の地元大津町にウズベキスタンに2年間青年海外協力隊として活動した方がおられますので、その方に電話をして、大使と話をする時の話題などを「取材」して準備しました。

 一方、ボツワナの大使は、日本は初めての軍出身の方です。情報は外務省からレクチャーを受けました。

 宮殿の「正殿松の間」は独特な雰囲気です。大使から陛下へ信任状の奉呈あと陛下が私に信任状を渡されます。その後、陛下が大使に優しく語り掛けられ、相手国の様子や元首に対する感謝の言葉を述べられたり、大使に対しての労いと励ましの言葉を掛けられる、という会話が続きます。そして公使ら大使館の主要なメンバーが一人一人陛下の前に進み紹介されます。皆さん緊張の面持ちでした。

 普段なら、東京駅から「行幸通り」と言われる皇居までの真っ直ぐな通りを、大使を乗せた馬車の列が進み、沿道は見物人であふれるそうですが、現在はコロナ感染防止で密を避けるため馬車は使わず車になっています。その際ほとんどの大使が皇居の美しさや厳かさに感嘆されるそうです。それが馬車ならなお引き立ちます。
 一日も早いコロナの終息と、大使を馬車で皇居にお迎えする日が来ることを願っています。