英国の孤独担当大臣とオンライン会談

2021年06月17日

 17日(木)、英国の孤独担当大臣である上院のダイアナ・バラン大臣と約45分間オンライン会談をしました。お互いの国の孤独の現状とその対策についての意見交換です。先のG7コーンウォールサミットで菅総理とジョンソン英首相との間の首脳会談で「孤独対策」が議題に上り、以前から計画していたことが実現にこぎつけたものです。

 まず、孤独大臣としては先輩であるバラン大臣から「世界で2人しかいない孤独担当大臣のもう一人の大臣と孤独問題について意見交換する事は素晴らしいことであり、心より感謝したい」という挨拶がありました。

 私の方も「二人の大臣で話し合い、様々な問題を共有し、世界に向けて、この問題の重要性を発信していきましょう」と述べ、意見交換に入りました。

 英国でも孤独問題が深刻で、国民の6パーセントが孤独で悩んでいること。とりわけ若者の孤独者が多く、英国としても社会問題になっている事、NPО活動に対する支援や宗教団体との連携により、孤独解消に努めている事、特に孤独は誰でもがなり得るもので決して恥ずかしいことではなく、相談することへの啓発活動をしている事、などがバラン大臣から報告されました。

 まさに我が国と同じである、と思いながら聴いていました。私からも、2月に担当大臣就任以来、NPОへの支援などへ60億円の予算措置をとったことや全国的に実態調査をすること、そして今年度に重点計画を定めることなどを報告しました。

 私の方からいくつかの質問をし、それには的確に答えていただきました。バラン大臣は孤独問題に対して詳細な実態をご存じでその深刻さも十分にご認識されておられました。非常に洞察力が鋭く、素晴らしい政治家であることはオンラインを通じても分かりました。

 最後に共同のメッセージを出しました。孤独についてのスティグマ(偏見)は克服されるべきこと、「絆」がカギであること、今後定期的に日英で孤独問題について会合の場を設ける事、そして実態把握と政策についてはお互いに共有する事、などを明記したメッセージを交換しました。
 まだまだ話したかったのですが、事務方からタイムアップのサインがありました。残りは次回に持ち越しです。

 英国の大臣と会談してみて、まさにコロナ禍の現代社会の問題が若者を中心に広がっていることを実感しました。それは日英両国だけでなく世界の各国々も同様であることを確信しました。今回の大臣同士の会談を契機に孤独・孤立問題について世界各国が関心を寄せ、更に様々な国とも意見交換が出来ればとも感じたところです。

 久々に大きな仕事をするきっかけをつかんだという気持ちになりました。コロナ禍の中でさらに対策を深化させていかなくてはなりません。