内閣不信任決議案をめぐる攻防

2021年06月15日

 15日(火)、午前9時1分に野党4党から菅内閣不信任決議案が衆議院議長に提出されました。午後1時からの衆議院本会議で議案となり不信任案の趣旨弁明が行われ、その後それぞれの政党が賛否の討論を行いました。

 趣旨弁明は提出者の立憲民主党代表の枝野幸男氏です。趣旨弁明を述べる時間には制限がありませんので、何分くらいの演説になるのだろうと思っていましたが、90分でした。さすがにこの長さになると、演説する方も大変だったと思います。しかし、枝野氏は弁護士でもありますので、弁明の内容は整然としたものでした。中身に賛成はできませんが文章の組み立てはさすがに裁判などで鍛えられているだけある、と思って聴いていました。

 その後は各政党がそれぞれ10分から15分の賛成討論、反対討論をしました。こちらは感情に走る演説、淡々と述べる政党、独特の言い回しでの少しトゲのある討論と様々です。聴いていながら文章の組み立てや内容で、党の考え方、その方の性格や文章能力が分かる、と思いながら聴きました。

 討論者は与野党6人。1時間15分かかりました。そのあと記名投票です。議員一人一人が反対の青票、賛成の白票の木札をもってディスタンスを取って登壇します。結果は反対多数で不信任案は否決されました。与党が多数を占めていますので、造反がない限り否決されることは最初から分かってはいたことですが、不信任案を出せるのは会期中一回だけですので、会期末に野党の意思を示すということもあり仕方のないことです。本会議終了は午後4時過ぎでした。
参議院は、衆議院の内閣不信任決議案否決の後にも動きがありました。この日、内閣委員長の解任決議案が提出されました。同案を否決した後、自衛隊基地や原子力発電所周辺など重要施設周辺の土地の売買、利用を規制する「土地利用法案」も審議され深夜に可決成立しました。担当大臣は小此木大臣・国家公安委員長です。深夜までお疲れでした。

 後は明日の最終日を迎えるだけです。衆議院は淡々と閉会中の審査を決議して終了と思います。長かった今通常国会、あと一日となりました。