国家戦略特区の養父市を視察

2020年10月22日

火曜日の夕方から国家戦略特区に指定されている兵庫県養父市に2日間の日程で視察のため出かけました。視察したのは企業農業を展開している現場と建築資材会社が試験的に行っているレタスの水耕栽培ハウス、さらに養父市はタクシー会社と協調して自家用車を用いた有償運送いわゆる養父市版「ウーバー」を実施していますので、その実態を聴き、遠隔映像で服薬指導もされているので、薬剤師の方の話も聴きました。

 いずれも、特区を活用して市長のリーダーシップの元、様々なことに果敢に挑戦されていました。

 中山間地の養父市で、少子高齢化が続き、農業後継者が少なく、高齢者の通院・買い物難民が増加していく中で、衰退する地域社会をいかにして自立できるようにするかという必死の取り組みでした。

 全国の地方が養父市と同様の状態です。何らかの対策を取らなくては、高齢者は通院できなくなり、耕作放棄地は増え、街の活性化は望むべくもありません。特区に指定されている養父市だからこそ様々なことに挑戦できますが、これをどこまで全国的に広げることが出来るかが課題です。

 農業、農地の売買、運輸業界、医薬業界など、それぞれに既存の事業者が存在します。既存の事業者の方々の生活・営業権を奪うわけにはいきません。一方で急速に少子高齢化が進む中で手をこまねいていても仕方ありません。何らかの変革は必要です。

 来年8月で、国家戦略特区法による企業の農地取得の特例が5年間の期限を迎えます。延長はしていかなくてはなりませんが、単純延長だけでいいのか、全国展開が出来るように規制緩和を広げるのか、これから難しい判断が求められます。
 有識者で検討されるワーキンググループなどの意見を参考にしながら、一方で農林関係者らの話も聞きながら、スピード感をもって法案などの検討に着手します。