コロナ感染で発言力増す知事会だが・・・

2020年07月28日

 新型コロナは、すでに第2波として全国的な広がりになって来ました。わが熊本でも選挙区である山鹿市の老健施設でクラスターが発生し、荒尾・玉名地域の造船会社でも従業員間でクラスターが発生して、熊本県全体では100人以上の感染者数になりました。

 これらを受けて全国知事会では昨日西村担当大臣に、「緊急事態宣言を都道府県単位でなく市町村単位で出せるようにしたらどうか」という提案をしました。思い切った提案であると思います。例えば熊本でも、山鹿市、荒尾・玉名地域は県北です。現在、県南地域では豪雨災害で被災して苦労している八代、人吉地域とはだいぶ距離もあり、クラスターなどの直接的な関係は薄いようです。荒尾・玉名地域はどちらかと言えば、福岡県との繋がりが強く、人吉市などは鹿児島県や宮崎県と接しています。そこで市町村単位での緊急事態宣言、という考え方も生まれるのだと思います。
 しかし、一地域経済とは言えわが町の経済活動を止める「緊急事態宣言」を市町村で出すという事は市町村長にとっては大変大きな責任を負うことになります。それを全国町村会などがあえて受けて、市町村単位での緊急事態宣言を引き受けるなら、それはそれで一考の余地があると思います。しかし、その判断に当たってはまずは国の判断ですが、当該知事の考え方も参考にしながら、知事の指示や同意によって市町村単位での緊急事態宣言、という事にしなくては知事会の責任だけが免れる、また市町村での経済格差という事にもつながりかねません。これからの地方自治を考えるとき、何事も県と市町村の連携が重要になって来ることになりますので、ここは県・市町村共同責任での緊急事態宣言、という事にならなくてはなりません。

 コロナ感染を通して、知事会の発言力は大きくなっています。同時に、国と県と市町村の責任と連携と役割分担の大切さも大きくなりました。これからの自治体連携を考えていくうえで、コロナ対策についての権限移譲、あるいは責任体制はこれからの地方自治を考える際の試金石になります。