国会会期末の与野党攻防

2012年08月08日

 国会はここに来て緊迫してきました。今国会中に解散を迫る自民党が、解散を引き延ばしする民主党に様々な圧力をかけて解散の実現を迫っているためです。
 ここで、これまでの流れと考え方を整理してみます。
 ①まず5月末に「消費税法案の成立は今の日本にとって最も大切なことだから成立させよう」という自民、公明、民主の3党によっていわゆる、「3党合意」がまず成立しました。
 ②それには国民に見える形でなぜ消費税を引き上げるか十分な審議をする、ということで100時間の審議が行われ、いくつかの法案修正の末、衆議院で消費税法案と引き上げ根拠である社会保障関連法案が可決しました。
 ③その間、民主党は小沢グループが消費税反対で離党し新たな政党をつくりました。
 ④そして参議院に法案は送られ、現在90時間と衆議院と同じ審議時間になりつつあります。
 ⑤審議時間を満たせば参議院で採決の予定でした。8月のお盆前には採決・成立と少なくとも自民、公明党は思っていました。
 ⑥しかし、採決は8月下旬と輿石幹事長が発言しました。
 ⑦更に、来年度の予算編成に向けての記者会見もありました。
 ⑧約束が違う、と自民党は参議院で問責を、衆議院で内閣不信任案を提出する、ということを発表しました。取り下げの条件は野田総理が今国会中に衆議院を解散することです。
 というのがこれまでの経過です。
 これを見ると3党合意が最も重要です。3党合意をどう解釈するかでかで見方が変わってきます。
 自民、公明は当然3党合意は、消費税に関しては一つの政党になったのと同じ。だから統一行動を取る、と解釈しました。ですから、途中で小沢さんたちが消費税に反対したというのも既に三党合意破り、といことになります。当然合意のウラには消費税が成立したら解散、総選挙が暗黙の了解と思っていました。
 一方、野田総理は自民党と同じ考え方を持っていたと思います。しかし輿石幹事長は3党合意は消費税を可決させるための約束と見ていました。可決の時期は今国会中であったならいつでも構わない、という考え。だから国会の最終日に近い時期に採決を考えていました。解散も全く考えていません。
 小沢さんらは3党合意など鼻から信頼していませんでした。
 ですからこのように至った原因はまず「民主党内の不統一」にあります。二番目に「野田総理のリーダーシップのなさ」にあります。そして自民党の責任としては「最初の時点でどのような約束が3党合意かを明確にせずスタートさせた」ことにあります。最も明確にすれば3党合意など成立しなかったでしょう。
 そこで私の考えですが、「3党合意」は既に破綻している。しかし最優先は消費税法案の成立だったはずなので、これは実行させる。今国会解散は約束にない、いわば阿吽の呼吸みたいなものだった、そこで多少解散が遅れても仕方ない。しかし、消費税法案を成立させた以上、財源の見通しなど前提が変わってくるし、何より民主党のマニフェストに書いていなかったことだから、来年度の予算編成前に解散総選挙を行うことが筋と思います。
 今日にも自民民主の党首会談が行われますが、そこで予算編成作業に入る11月までに解散総選挙が約束されれば私はそこで手を打ってもいいと考えます。
 残りの国会、消費税法案以外にも国民の生活に関わる重要な法案が一杯あり、衆議院は通過して後は参議院の審議を待つだけになってます。いたずらに国会を混乱させ審議をストップさせてはいけません。