国民不在の民主党ドタバタ会期末

2010年11月30日

 昨日の夕方民主党から突然、総務委員会の理事懇談会を開きたい。そして翌日に委員会を開催したいという連絡がありました。委員会の開催などを決めるのが理事です。私は総務委員会の理事をしていますので驚きました。もちろんほかの野党の理事もびっくりです。

 何のために開催するかというと、郵政法案を審議するため、ということでした。今の臨時国会は12月3日まで。後4日しかありません。しかも郵政法案はいったん民営化した郵政事業を事実上また国営化しようという法案です。こんな重要な法案をいとも簡単に出してくるのはやっぱり民主党内のお家の事情でしかありません。

 民主党は連立を組んでいる国民新党とは、郵政をもう一度国営化すると約束をしています。ところが国会は中国漁船衝突問題や問責決議でそれどころではありませんでした。しかし亀井代表はあの迫力で民主党に「約束が違うじゃないか。今国会に出すのが筋ではないか」と迫ったようです。それで原口一博委員長らが急きょ、総務委員会の開催を決めたようです。

 郵政の民営化は小泉さんが解散総選挙までして決めました。審議も100時間以上しました。国家の金融や保険、郵便関係する大問題です。それを会期末後4日で出して審議をしようなど、まさに国民、国家のことを考えたものではありません。

 私たちは理事懇談会を欠席しましたし、公明、みんなの党も欠席でした。亀井さんの顔を立てるために国会や国民生活が犠牲になることは本末転倒もいいところです。これが民主党の実態ですね。

 やはり自分の意見を国家のため、国民のためにはっきりといえる政党、その中で論議をする政治でなくては何のための政党か分かりません。

 昨日テレビで司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」を見ながら思いました。日露戦争でバルチック艦隊を破る功労者となる秋山真之が青雲の志を抱いていたころ「小さくてもいい。独立するということが大切だ。そこで自らの意見を言うことが重要だ」と東大進学希望から海軍兵学校に切り替えて海軍に入り、日本の真の独立を勝ち得た日露戦争勝利の立役者となります。

 自らの意志や意見を貫けない人物や政党は可愛そうなものです。