ブラジルの日本語センター

2019年04月05日

 昨日はブラジル・サンパウロ市にある日本語センターの理事長日下野良武様と夕食をともにしました。日下野様は私の高校の先輩です。私は当時の熊本商大付属高校(現学園大学付属高校)の8期生ですが、日下野様は1期生です。
 大学在学中に中南米研究会に所属しておられ、当時我が国が派遣した中南米留学生に合格され、そのままサンパウロに在住され、日系人向けの新聞社であるサンパウロ新聞社の専務も務められ、昨年からサンパウロ市にある日本語センターの理事長として、ブラジルでの日本語や日本文化の普及に努めておられます。
 サンパウロ市にある日本語センターは、在ブラジル日系人の寄付によって三十数年前に建てられ、現在は日本語を教える教員の養成をしておられます。しかし、運営は厳しくなかなか日本語の指導者が育ちません。運営資金は日本からのわずかの支援金とブラジルの日系企業などの篤志家の寄付によって賄われています。理事長以下役員などはすべてボランティアだそうです。
 今回、我が国が外国人労働者を大幅に受け入れることが決まり、日本語教育を国内外で充実させるための法律が今審議中であることから、ブラジルの日本語センターの運営に少しでも支援をして欲しいという願いから来日されました。
 ブラジルは圧倒的な親日国です。日本人移民がブラジルに果たした功績は大きく、日本人は尊敬の対象でもあるということです。しかし最近は中国や韓国の方々が増えビジネスを展開され、日本人の存在感が薄くなっているということでした。しかし日本への親しみとあこがれ、尊敬の念は強く、先に秋篠宮の御長女真子様がブラジルにお越しいただいたときは、各都市とも熱烈な歓迎が続いたということでした。
 そのような日本への親しみを消してはならないと日下野先輩は奮闘されています。今回の来日も全て自費で来られていました。
 日本の存在感が世界で小さくなっている昨今です。ブラジルは昨年日本人移民110周年が行われたばかりです。日本にとっては特別の国でもあります。夕食には元文部科学大臣で日伯友好議員連盟幹事長の河村健夫先生も同席していただきました。また午前中には今回の日本語を国内外で充実させるための法律の起案者である元文部科学大臣馳浩先生の事務所も訪れ、日本語センターの実情を訴えました。
 ブラジルにおける日本文化の浸透をさらに図りたいものです。