消費が減り続けるコメをどうする

2019年04月04日

 昨日は、農業基本政策検討委員会で、今年作付けされるコメの需給についての論議がありました。コメは日本人の主食です。年間730万トン生産されています。にもかかわらず、2、3年前まで年間8万トンずつ需要が減り続けてきました。一昨年からは10万トンから12万トンずつ減っています。作付面積を減らすことと、飼料米や加工用米への転換、更には国の備蓄米に回すことで、何とか需要と供給のバランスを取り生産者のコメによる所得を維持しています。
 昨年も生産過剰気味だったんですが、作況があまり良くなかったために生産量が予想より少なく、コメの価格は少し上がりのバランスはとれました。そして今年から昨年まで実施していた各県に生産量を割り当てる「生産数量目標」を廃止し、コメ作りは農家の裁量に任せることになりました。今年の作付け面積は今のところ昨年とあまり変わりません。このため、豊作だとコメ余りが生じて、取り返しがつかないことになりますので、今の時点で何ができるか、について議論を交わしました。
 今から出来ることは、備蓄米の買い入れ予定は20万トンですので、JAの協力も得て20万トンギリギリまで国が買い入れること。さらに飼料米などに転換してもらうことです。しかし農家はもう主食用米の作付けを準備をしていますので、これからの転換というのもなかなか難しい課題です。
 結局、まずは備蓄米の入札参加を増やすことで一義的には対処することにしました。主食の消費が人口減少や他の食材が増えたことで減少する。一方でコメ生産の作業の効率化と機械化は進みコメの作付面積は減少しそうにもないことを考えると、今後も毎年、この問題に取り組むことになります。