避難生活、やはり水と電気が最も重要

2024年01月08日


 能登半島地震発災以来1週間が過ぎました。今日8日(月)も午後2時と2時45分にそれぞれ官邸と農林水産省で対策本部会議が開かれました。私はいつも官邸の会議の1時間ほど前に農林水産省に到着し農林水産関係の被害状況や食料支援の状況などのレクチャーを受け官邸の会合に臨みます。

河川が少ない石川県はため池が多数

 被害の状況は相変わらず拡大するばかりです。死者の数も168人に達しました。安否不明の方々が300人を超えていますのでまだまだ、増えそうです。農林水産関係の被害状況は少しずつ分かるようになって来ました。ただ農地の被害はあまり掴めません。それは農地が海岸沿いや内陸部にあり、海岸線の道路が全く通行できない状態であるのと内陸部も連絡が取れない孤立集落がまだまだ多いためです。農業用ダムやため池、など土地改良関係の農業用施設は思ったほどの大きな被害は出ていないようです。石川県は山がちで大きな河川が少ないため、ため池の数は全国有数の多さですが、何とか持ちこたえています。この後雨や雪による2次被害に注意しなければなりません。

民間団体と農林水産省の協力で食料支援は充実

 避難所等への食料支援は農林水産省の役割です。民間企業や団体の協力も得て、様々な種類の食料、特に温かい食べ物、そして飲料水、液体ミルクなどを金沢市の支援拠点に運び込み各地へ搬送しています。この日から無洗米の搬入も始まりました。

衛生面で万全の対策を

 今後は避難所の生活環境の充実・整備が求められます。水と電気がまだ来ていないところが多く不自由な生活が続きます。特に断水はトイレが流せない、食器などの洗浄が出来ない事などで衛生面に悪い影響を与えます。一日も早い水道の復旧が求められます。また感染症の流行も一部の避難所では見られるという事です。細心の注意が必要です。

関連死防止へ

 熊本地震では避難所での生活が厳しかったことから災害関連死が数多く出ました。今回は関連死防止のために環境が整った所へ移転する二次避難を用意しています。ホテル・旅館など生活環境が良好な「みなし避難所」で生活していただく事が重要になって来ています。

次のステージへなるべく早く

 激甚災害指定の準備も出来ました。各自治体の財政負担はほとんどなくなり、復旧工事への弾みになります。これから避難生活と災害復旧工事、そして農業をはじめとする事業再開へとステージを前へ前へ進めて行かなくてはなりません。

長期戦の始まりです。

写真は大臣室でそれぞれの局長クラスから被害状況を聞く私