「シラスウナギ」流通の透明化を

2023年02月24日


 24日(金)午前9時から「養鰻振興議員の会」(森山裕会長)が開かれました。同議連は日本の食文化であるウナギの蒲焼をさらに世界に広めるために、二ホンウナギを養殖する方々に、安全で安価なウナギを安定的に供給をしていただこうと結成されているものです。

謎だらけのウナギの生態】

 ウナギの生態は今も謎に包まれています。平成23年に産卵場所は日本から2000㎞離れたマリアナ海溝付近ということが分かっただけです。孵化した稚魚である「シラスウナギ」はその後、台湾から韓国、そして日本へと黒潮に乗ってやって来ます。そこで日本の河口で採捕され、養殖業の方に販売されます。2月から3月に池入れされ、1年5~6か月養殖されてから翌年の土用の丑の日である7月くらいに出荷され、美味しいうな重やうな丼となって私たちの口に入ります。

 しかし近年「シラスウナギ」は極端に減少し1㎏当たり(手のひら一杯に乗るくらいの量)20万円という年もありました。国際自然保護連合(IUCN)でレッドリスト入りしており、「近い将来において野生での絶滅の危険性が高い種」というカテゴリーの中に位置付けられています。

 問題は密漁が多く全体が把握しきれていないという事です。養殖業者が届けた池入れ数量は16.2tです。内訳は届け出があった採捕数量は5.5t、輸入が5.8tです。残りの4.9tがどこから入って来たのか分からないのが現実です。「報告漏れ等」という取り扱いになっています。

資金源?】

 河川の河口での「シラスウナギ」の採捕は資金稼ぎになっているとも言われてきました。そして昔からの独特の流通経路があるため、なかなか実態がつかめないというのが実情だそうです。

 日本が世界に誇るウナギの食文化です。日本人だけの味覚でしたが、最近は中国や韓国、台湾の観光客も先を競ってウナギの店に入っていきます。

 今のままでは世界のルールとして通用しません。いずれワシントン条約によるレッドリストされ、日本からウナギの食文化が消えることも考えられます。

 熊本県産のアサリが偽造表示され「改正水産流通適正化法」が成立していますが、適用は令和7年12月からです。それまでにしっかりとした運用規則を作り、業界関係者にウナギ流通の透明性を徹底させなくては、私の大好きなウナギが食べられなくなります。

写真はウナギの一生の移動推測】