荒木泰臣 熊本県嘉島町長(全国町村会長)無投票で10選

2023年02月01日


 31日(火)、熊本県上益城郡嘉島町の荒木町泰臣町長が無投票で10選を果たされました。当選報告会が現地の荒木町長のご自宅で午後5時から行われましたので、12時45分の便で熊本に帰る日帰り日程でお祝いに駆け付けました。荒木町長は全国町村会の会長でもあります。

 10選の原動力は何か、と以前聞いたことがありますが、町長は「1期ごとに目標を設けて実行していくだけだ」とさらりと言われました。いろいろな過去の活動を見て来ますと、「自立する自治体をつくらなくてはならない」という強い信念を持っておられたからだと確信しました。

 昭和58年に、嘉島町は人口減少が激しく熊本市へ編入・合併の申し入れをします。しかし嘉島町は当時、洪水の常襲地帯で、熊本市にとって、合併すれば洪水対策に追われるということで結局拒否されます。江戸時代に加藤清正は熊本城下を守るため、熊本城下地域と現在の嘉島町の間を流れる加勢川の熊本城側には堤防をつくりました。一方、嘉島側には水が流れ込むように堤防をつくりませんでした。嘉島側はいわゆる遊水地帯になっていました。今も「清正堤」と呼ばれています。そのような地域だったのです。

 悔しい思いをした荒木町長は町長に就任してまず全力で治水対策に力を入れます。当時の故園田博之代議士にお願いして、国の予算を投入して、最終的に水害が起きない嘉島町をつくり上げられました。

 以後、熊本市近郊という事もあってサントリー熊本工場を誘致し、イオンモール熊本が進出し、工業団地を造成して企業立地が進み、次はサッカー場をはじめ複合型のスポーツ施設を建設し、ニュータウンの建設も進む等、確実に自立できる街が出来上がり、今では人口増加地域になっています。

 まさに熊本市から「袖にされた」屈辱をばねに「自立の街づくり」を進められて来られた結果が10期目、そして無投票になっていると感じました。
次は「子ども、高齢者らをいかに大切にしていくかという政策を充実させる」と言われていました。まさに町づくりは半世紀かけてやっと形が見えてくるという典型でもあります。

 その実績がまた、全国町村会長を続けられている原動力でもあると感銘しました。現場の生の気迫を感じ、日帰りでお祝いに駆け付けただけの価値はありました。
今後さらに期待します。

写真は荒木町長の当選報告会