「第33次地方制度調査会」総会に出席

2022年12月22日


 「第33次地方制度調査会」(会長・市川晃住友林業会長)の総会が21日(水)午後3時半から、東京・平河町の全国都市会館大ホールで開かれました。第33次としては3日目の総会です。私は今回、国会議員の委員として指名されましたので出席しました。以前も委員に指名されたことがありますので「再登板」です。

 「地方制度調査会」は法律に基づき総理の諮問機関として設置されているもので、地方の行政や議会など様々な制度に対してあるべき姿を、総理の諮問に従い答申する機関です。昭和27年(1952年)に第1次調査会としてスタートし、今回が第33次となります。戦前は中央集権的であったために、地方自治制度を充実させ分権を図るべき、という趣旨のもとに設けられました。

 第33次の委員は学者や経済人など学識経験者18人、与野党の国会議員6人、それに全国知事会会長、都道府県議会会長など地方6団体の代表で構成されています。

 今回、総理から諮問されたのは議員のなり手不足が問題視されていることから、「多様な人材が参画し、住民に開かれた地方議会のあるべき姿」でした。学識経験者の専門委員会でこれまで何度か議論を重ね今回答申案が示されました。

 答申案の内容は
【議会の開催は平日が一般的であることや、議員や有権者からのハラスメントが指摘されるなど、必ずしも女性や若者、勤労者が参画しやすい状況になっていないため、議会に参画しやすくなるように環境を整備すること】
【小規模自治体においては議員報酬が低水準であることが議員のなり手不足の要因になっているとの指摘があるため、全国的連合組織との連携で議員の活動量と首長の活動量を比較し適正な議員報酬の水準について検討する】
【デジタル技術を活用し住民への情報発信を多様化し若者、障碍者への積極的な情報発信のため、SNSを活用した議会中継の配信を行っている事例、更にタブレット端末の活用によるペーパーレス化も進んでおり、積極的に住民への情報公開を進める】
【議会の位置づけを明確にするとともに、住民の負託を受け議員は誠実に職務を行わなければならない事を規定することなども考えられる】
【勤労者が立候補しやすい環境にするため、法制度として休暇の規定を設ける事など立候補を促すための有効な方策を考える】
【議会へのオンラインでの出席については育児や介護により議会に来ることが困難なものも審議に参加できるメリットがある一方で、表決の際の賛否や通信が途切れた場合の取り扱いなど課題もある】
などです。難しい問題は両論併記として今後の政治判断にゆだねる箇所もありました。

 私は発言を求められ
「若者、女性が議会に参加するためには議員選挙においてクウォーター制(一定の定数を配分する制度)なども今後検討すべきである」
「議員報酬については小規模町村の場合は少なすぎる。議員報酬だけでは生活ができないとの声もある」
「議会の位置付けや立候補しやすい環境をつくる事については、来季の通常国会で法制化を図るべきである」
など具体例も挙げながら意見として述べました。

 それぞれが意見を述べた後、全会一致で今回の答申を承認しました。

 国会ではこれまで、地方議員のなり手不足対策のために「町村議会議員選挙の公営化」「立候補の要件として役場等から請負いをしている人は立候補できないとされていましたが、この請負禁止の緩和」などを法制化してきました。

 来年の国会に向けてまた、新たな法制化への活動が始まります。

写真は地方制度調査委員会の冒頭で挨拶する松本剛明総務大臣】