故安倍元総理の国葬

2022年09月28日

 故安倍元総理の国葬は27日(火)午後2時から、東京・日本武道館で執り行われました。私たち国会議員は国会からバスで正午にスタートしました。12時20分には武道館に到着し午後2時を待ちました。

 式は皇族方の参列を待って時刻通り、礼砲とともに始まりました。とりわけ外国からの要人をはじめとする参列者が多かったのが目立ちました。各国首脳から国際機関の幹部、在日大使館の大使などが1階に大きなウエートを占めて座っておられました。私たちは2階の席です。

 葬儀委員長である岸田総理の弔事に続いて、三権の長の弔事が続きました。最後は菅前総理が友人として言葉を述べられましたが、安倍さんとの出会いから、安倍さんが出馬を迷っていた二回目の自民党総裁選挙の時の、焼き鳥屋での説得の状況など、当時の様子を自らの言葉で述べられ真に迫るものがありました。最後には会場から万雷の拍手が起きました。葬儀の挨拶で拍手が送られたのは私は過去に経験したことがありません。

 国葬儀は午後4時半には終了しましたが、参列者4000人以上が武道館を退出し、それぞれに車の迎えが来ています。このため大変な混雑で帰りのバスに乗るのに時間がかかりました。この日予定していた「近未来政治研究会」の研修会会場である平河町の砂防会館に私が到着したのは開始時刻の5時を大きくオーバーしていました。研修会の講師である河野克俊元幕僚長も国葬に出席されていましたが、退出は最後となったために、研修会会場に到着されたのは6時45分頃でした。しかし短時間ながら現在とこれからのロシア、アメリカの行動、核戦争への可能性、日本の備えなどを分かり易く講演していただき大変有意義なものでした。

 今回の国葬には賛否両論あります。私も岸田総理も重たい決断をされたなあ、と感じましたし、国民や国会に対して、とりわけ野党などに対して、もっと事前に丁寧に説明すべきではなかったかと感じていました。しかし、国葬に出席してみると国葬として実施した意義はあったと感じました。

 国会議員現職の元総理が突然銃弾に倒れたことに対する怒りを国葬という形で、二度とこのような凶事が起きないようにアピールする事。また海外からの参列者も多く、日本のこれからの政治に対して、国葬という形で安定した政治体制の姿勢を示す事が出来たこと、などの点で効果はあったと思います。

 賛否が渦巻いた国葬でしたが、わが国は今、経済的な危機を迎えています。円安や諸物価の高騰、財政の硬直化など立ち向かわなくてはならない喫緊の課題に包まれています。葬儀が終わったことを境にして取り巻く課題に果敢に取り組んでいかなくてはなりません。

 「けじめ」がついた一日でした。