第89回自由民主党大会
2022年03月13日
今回で89回目を迎えた自由民主党大会が13日午前10時から、毎年の会場である東京のグランドプリンスホテル新高輪国際館パミール「崑崙」で開かれました。衆参全議員のほか各都道府県から県連役員、さらに今年度の優秀党員などの表彰者、そして各地域からオンラインでの参加がありました。
昨年はコロナ禍のため中止されましたので、2年ぶりの大会です。東京はまん延防止特別措置期間中ですので、3000人収容の会場は約半数の1500人の出席に抑えられました。
例年のように公明党の山口代表や経団連の十倉会長からの来賓代表挨拶、そして幹事長の党務報告、令和4年度の党運動方針案が小渕優子組織運動本部長から発表され承認されました。
岸田総裁が内外の諸情勢の中での我が党、我が国の取るべき方策について総裁としての演説をされました。
この後、特別企画、今年7月の参議院選挙候補者紹介と続きました。
最も感動し、会場から拍手も多かったのは、パラアスリートで昨年の東京パラリンピック水泳の銀メダリスト富田宇宙さんのスピーチでした。
富田宇宙さんは、その名前の通り宇宙飛行士を目指して勉学に励んでおられましたが、高校生のころから目が不自由になり、今はシルエットくらいしか見えないそうです。それでも東京大会を目指して小さいころから練習してきた水泳でパラリンピックを目指すとともに、社会へのメッセージを送り、多様性のある社会や様々な人がどんな状況であろうともそれぞれが必要とされるものを持ち、障がいや国籍や民族などで排除されない社会の建設を目指して学校や企業を回り、あるべき社会の姿を訴えてこられた社会活動家でもあります。
それが、パラリンピックで活躍したことで多くの皆さんから「勇気をもらった」「ハンデに対する考え方が変わった」「パラ社会人の考え方に感動した」など大会後のメッセージをもらったという事でした。
そのことを富田さんが「パラリンピックを通して社会活動家としてやってきたことが結実した。この使命を全うするために私は障害を負ったのかもしれない」と言われた時は、本当に頭が下がる思いで涙が出ました。素晴らしいスピーチでしたし、パラアスリートの並々ならぬこれからの社会のあるべき姿を訴え続けられる行動に深く心を打たれました。
富田さんは熊本市出身です。高校は熊本屈指の名門校で文武両道の高校でもある済々黌高校です。宇宙飛行士を目指して勉学に勤しんでおられましたが、2年生の時から黒板の字が見えなくなって来たそうです。それでも宇宙飛行士の夢をあきらめることなく大学、大学院と進学されました。
そして最後に「今年は名古屋で視覚障がい者として初めて無重力飛行の実験に参加します。宇宙への夢をもう一度目指す第一歩になると思います。宇宙ビジネスの発展が目覚ましい中において障がい者が宇宙に行くことで多様な社会の推進の原動力になれたらいい。宇宙に行くことで差別や偏見がいかにちっぽけなものであるかを考えるきっかけになればいいと思っています」と結ばれました。
まさに拍手です。周囲の議員も「素晴らしい」と感動していました。熊本出身だけに私自身も誇らしい気持ちになりました。
夢を一つ一つ実現していくことでの無限の可能性を学びました。