少子化対策と地方創生で勉強会

2022年02月08日

 自民党の少子化対策調査会(衛藤晟一会長)が8日(火)党本部で開かれ、有識者2人の話を聞きました。

 ニッセイ基礎研究所の天野馨南子(あまのかなこ)さんと明治大学政治経済学部教授の加藤彰彦先生です。
 二人に共通しているのは、東京一極集中が少子化に与えた影響は大きく、地方に女性が残り結婚件数が増えなくては、少子化は進むばかりである、という地方創生で地方のカップルを増やすことが少子化対策の一つの方法であるという事です。

 私は少子化対策担当大臣としては22代目でした。また地方創生大臣としては7代目でした。しかし、少子化対策と地方創生大臣を兼務したのは私が初めてでしたので、わが意を得たり、という気持ちで話を聞きました。

 天野先生はこの50年間(1970-2020年)で出生数の減少率はマイナス57%。特に秋田、青森、岩手などの東北地方はマイナス70%台になっているという、異常な減少を明らかにされました。特に女性の東京一極集中で地方の出生者数は激減し、代わって東京は出生率では全国最低であるにもかかわらず多子化していることも報告されました。つまり、地方から女性が流出し男性が結婚出来ない状況、50歳時点で男性の4人に1人、女性の6人に1人が未婚者で婚歴もないというショッキングなデータを出されました。
 結婚願望は皆さんあるものの、結婚できない事情が数多くある、初婚が増えなければ子どもの数は絶対に増えないという事も述べられました。

 加藤先生も少子化の原因は無子化、無子化の原因は未婚化と言われ、少子化対策とは失われた結婚と出生を取り戻すこと、と述べられました。更に経済成長の低下による結婚格差の拡大と経済的に結婚可能な男性の減少、交際相手のいない未婚女性の急増も挙げられました。また結婚への最大の障害は男女とも結婚資金とも言われ、未婚化の主要因として「お金」「手助け」「価値観」のそれぞれの問題を指摘されました。

 しかし一方で、コロナ禍により東京圏への転入超過が減少している時であり、今が、東京一極集中の是正と地方創生のチャンスであるとも言われました。

 現在の我が国の少子化は国家的危機です。このまま放置しておくわけには行きません。一方でその対策には莫大な財源が必要になって来ます。少子化対策への財源確保の運動を今後どう展開していくか、この日の勉強会で大きなテーマが投げかけられました。