デジタル田園都市国家構想とは

2021年12月14日

 14日(火)午前8時から、私が事務総長を務める地方創生実行統合本部内に設けられた「デジタル田園都市国家構想推進委員会」(委員長:新藤義孝先生)が開かれました。地方創生の取り組みにデジタルを掛け合わせることによって、新たな地方創生を実現しようと設けられたものです。

 政府からデジタル推進に関しての経過や今後の在り方について報告があり、質疑に移りました。多くの議員が意見を述べましたが、それぞれの立場からのご意見ばかりでした。

 デジタルによる地域づくりの先進地について紹介する議員がいれば、デジタルそのものについて政府はこれまで何をやって来たのか、と政府を詰問する意見もありました。文部科学省が進めるGIGAスクールについてさらに進化させなくてはならない、いやスーパーシティーを推進すべきだなど、果たしてデジタルで何を便利にして何を守ろうとするのか、テレワークや移住促進のための政策を進めなくてはならないが、5Gについての地方への説明が足りない、ブロードバンドの活用が足りないなど、それこそ千差万別の意見が延々と続きました。

 議員それぞれに「デジタル田園都市構想」という捉え方がバラバラです。それだけ「デジタル田園都市国家構想」という言葉が生煮えのまま出てきている、という事になります。

 その中でお二人の方が「昭和30年代に全国総合開発計画、新全総、3全総など中央と地方の格差を埋めるための国家構想が推進されてきた。そのように国家の在り様として描くべき国家構想と地方で展開されるデジタル地域振興を整理しなくてはならない。共通計画と地域の個別計画の2つの視点に立って進めるべきだ」という意見を述べられました。

 まさにこの意見が一番正しいと思います。かつての「全国総合開発計画」のような「デジタル田園国家全国推進計画」いわば「デジタル全総」を考えなくてはなりません。一方で地方では自治体やデジタル人材が中心になって、それぞれの地域で福祉・教育・子育て・買い物などに活用出来るデジタルタウンの建設を進めればいいのです。大きなしっかりした計画が出来ていないがために、「デジタル田園都市国家構想」は語る人にとってそれぞれの視点が違うという結果になっている、という事がこの日の会合で分かりました。役所も右往左往するだけで、何をどう進めていいのかわからない様です。

 現政権によって打ち上げられた「デジタル田園都市国家構想」ですが、これからより具体的に国民の皆様に、より分かり易く説明できるようにしていかなくてはなりません。「何を、誰のために、どうすればデジタルによって中央と地方の格差や地方創生が可能なのか」を具体的に提言していく責務があると感じました。
 自民党地方創生実行統合本部の重要な仕事がまた一つ増えました。