第3回の孤独・孤立フォーラムと自殺対策SNS相談視察

2021年07月06日

 6日(火)午後3時から港区にある政府の「三田共用会館」で3回目となる「孤独・孤立フォーラム」を開催しました。今回のテーマは「子ども、若者」。NPОなど6団体の代表者が出席、政府側からも内閣府、厚生労働、文部科学省の副大臣が参加しました。

 過去2回のフォーラムに続き、この日も活発な意見、提案が出ました。
 「若者の悩みに寄り添う友人や恋人(ゲートキーパー)の育成を支援する仕組みを国主導で作ってほしい」(NPО法人LIGHT Ring)
 「支援が必要なのに支援を求めるのが苦手な子供、声をあげられない子供が多くいる。子供の声を聴く子供主導の姿勢が大切」(社団法人 子どもの声から始めよう)
 「孤立感が子供の自殺の危険因子。6人に1人の子供が相対的貧困にある。義務教育後の支援も大切。」(社団法人東京公認心理士協会)
 「子どもの安心の居場所が欲しい。それは助けるや指導するではない、本当に安心して行ける場所だ」(NP0フリースペースたまりば)
 「ひきこもり女子会をつくったら、一人ではなかったと、安心感も出た」(社団法人ひきこもりUX会議)
 「放課後がつまらない。スポーツや体験にもお金がかかる時代であり、体験格差も生まれている。放課後をゴールデンタイム、多様なエイジにしよう」(放課後NPОアフタースクール)
  など印象的な発言が出されました。貴重な意見ばかりですので私から「しっかりと心にとどめ、孤独・孤立対策にかかる政策立案に向け取り組む。同時にNPО同士の連携も広く進めて行きたい」と述べました。

 引き続き、午後5時半からは、市ヶ谷にある「NPО法人ライフリンク」(清水康之代表)を視察しました。同団体は自殺対策を実践している団体で、「生きづらびっと」というSNS相談を設けて全国的に活動しています。相談員、スーパーバイザー(専門官)、コーディネーター(管理・監督官)の方々ら多様な人材を揃えて、自殺防止に当たっています。

 SNS相談の具体的なやり取りも説明いただきました。まさに双方命がけのやり取りの生々しさが伝わって来ました。このような活動をされている方々こそ、政府がしっかりと支えなくてはならない、と強く感じ入りました。

 子ども、若者、女性、男性それぞれに、誰にも相談出来ず、生きている価値が無いと感じるまで追い込まれている方が数多くおられます。今日を生きるお金もなく、「死」だけを考えている方もおられます。それは孤独・孤立から生まれます。切実な悩みを受け止める相談員の方々への精神面での支援も重要です。「絆」の大切さ、手を差しのべる事、誰かに相談できる社会をつくる事の難しさを感じますが、これほど懸命に活動されている方々を目の当たりにして、改めて私たちの責務の大きさを感じました。