地方創生で和歌山視察
2021年06月28日
27、28日(日、月)は和歌山県へ地方創生の視察に行きました。今年1月に計画していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で2回も延期していますので、今回は待っていていただいている先方の皆さんのためにも行かなくてはなりませんでした。その代わり完全に感染予防対策を取っての視察で、同行者も最小限に抑えました。
当初、空の便で日曜日の夕方から行く予定でしたが、台風の影響で欠航になることを恐れて、新幹線とJRの乗り継ぎにしました。新大阪駅でJR阪和線に乗り換えて和歌山県南部の白浜町へ。午前10時に宿舎を出て白浜についたのは午後4時過ぎでした。月曜日を視察のメインに持ってきたのは、実際に働いている人の姿を見て、働いている方々とその場で意見交換をしたかったからです。
視察は白浜町がテレワークの推進やサテライトオフィスの設置でIT企業の誘致に成功していますので、2か所のサテライトオフィスを訪れ、東京から進出しているIT企業の方などから話を聴きました。
続いて田辺市に行き、同市が平成28年度から実施している「たなべ未来創造塾」を訪れ、同塾を修了し田辺市でパン屋さんや、ウナギ屋さんや、建築業などをニュービジネスとして展開している若者と話し合いました。みんな生き生きとしてこれまでの発想とは違うビジネスを展開しており、同席した田辺市長さんも予想以上の成果が上がっていると強調されました。
また、有田市で和歌山特産のミカンを生産するだけでなく、商品としての6次産業化を進め、若者、とりわけ大学生に就職先として人気のある農業法人「早和果樹園」(そうわかじゅえん)を視察しました。90人の方が社員として働いておられます。これからの農業の在り方を示唆する場所として私が最も訪れたかったところです。女性3人、男性2人と約1時間にわたって、これからの農業の在り方や社員としての遣り甲斐、将来の夢などについてじっくりと話しました。オーナーの会長さんや社長さん、有田市長さんも一緒に話し合いに参加していただきました。
そのほか、安政の大地震により津波が起きた際、夜だったので稲わらを燃やして安全な高台に誘導し、多くの命を救った濱口梧陵(はまぐちごりょう)の功績を顕彰し津波の恐ろしさを伝える有田郡広川町の「稲むらの火の館」、政府機関の地方移転の一環として和歌山市に移転した総務省統計局の「統計データ利活用センター」も視察させていただきました。
今回の視察で一番感じたのは、やはり「人」を育てるという事の大切さです。早和果樹園の社員はしっかりとした農業論や商品価値に対する考えを、社員同士で切磋琢磨することで身に着けていました。IT企業でも、地元採用の社員が、ともすれば東京のIT企業という事で警戒しがちになる地元の企業との仲介役になって実績を上げていました。たなべ未来創造塾の修了生は市の地域づくりの中核でした。
「人」それも「若い世代」が地方や地域を変えて行く、という事を目の当たりにしました。地方創生は様々な事を考えて行かなくてはいけませんが、「人材創生」が地方で出来るなら奥の深い、本物の地方を創生することが出来る、という事を思い知りました。