今年のコメの価格が心配

2020年08月18日

 今日は午後1時半から自民党本部で農林部会役員会が急遽開かれました。というのも、今年のコロナ感染でコメの需要、とりわけ外食産業が購入するする中食(なかしょく)外食の主食用米の需要が、コロナ感染によるお客の激減で減少しており、一方で東日本のコメの収穫量は好調な気配ですので、このままだと、需給が緩んで大変なコメの安値になり、生産農家が厳しい状況に追い込まれる、という危機感から開かれました。
 更に、西日本のコメの作柄も、長梅雨による日照不足で平年を下回るとみられていましたが、ここに来て好天が続きかなり持ち直してきています。そう考えると需要は低迷どころか大幅減少、生産量は平年以上という事も考えられます。

 このため、本来なら需給調整のために、主食用米から飼料用米への転換が進み、主食用米の価格が維持される仕組みが作られているのですが、飼料用米への転換が予定通りに進まず、主食用米の余剰になりそうな気配なのです。

 今日は、「何故飼料用米への転換が進まないのか」「米価がコロナの影響で下落した時、コロナ対策として補正予算が組めないのか」などの意見が出され、農林水産省は持ち帰って様々な対応策を考えるという事で終わりました。

 コメは人口減少と高齢化、更に米以外の食糧の需要が増えてきているため、年間総生産量約860万tですが、コメの消費量は毎年10万tずつ減っていると言われています。実際にはもっと減少量は多いのかもしれません。しかし、農家の所得を確保する上からも国土保全の意味からも、むやみに水田を減らすことはできません。そのために飼料用米に転換して水田面積は維持しながら、コメの価格を維持するという政策が8年前から取られています。

 九州や西日本は畜産や果樹園芸が盛んで米以外の農作物で何とか農家の所得を維持していますが、コメが主産地の東北地域では、コメの価格が下落すれば生活が出来なくなります。これから関東や東北地方の平地、そして西日本の稲刈りが待っています。大量のコメ余りになれば、それは政治問題に発展します。細やかに注視して対策を機敏に打っていかなくてはなりません。

 油断ない監視が必要です。