沖縄・首里城炎上

2019年10月31日

 今朝はショッキングなニュースから始まりました。世界遺産にも登録されている沖縄の首里城が炎上したのです。テレビから映し出される、首里城消失の映像は悲痛なものでした。一日も早く原因究明とそして再建を願いたい。私も何度も首里城に行ってその華麗さに魅入られた一人です。
 お城の炎上で思い出すのは熊本城が西南の役の時1877年、明治10年に焼け落ちた時の光景を描いた本です。熊本出身の軍人石光真清(いしみつまきよ)がその手記「城下の人、熊本城炎上」の中で書いています。真清氏はその当時まだ7歳ほどでした。「お城が燃えているぞ」という声で振り返ると、熊本城の天守閣がごうごうと炎を上げ燃え盛り、やがて崩れ落ちる姿を描いています。
 熊本の城下の人々は「みんな膝をつき涙を流し、祈るようにして熊本城が焼け落ちるのを見ていた」という趣旨の記述があります。
 当時は高層ビルもなく、熊本城の天守閣はどこからでも見え、高くそびえ、威容を誇っていたのだと思います。そのお城が燃える。加藤清正が築き、それまで250年以上、熊本の人々の誇りであり、心の支えであったシンボル的存在のお城の炎上は、城下の人々に大きな精神的落胆を与えたと思います。
 それと同じ光景を今朝見なければいけませんでした。残念です。
 台風に水害に、お城炎上。相次ぐ災害を乗り越えなくてはなりません。