国有林の民間開放

2019年05月09日

 農林水産委員会は今日から法案審議です。今国会の農林水産関係法律案件の中で最も目玉となる「国有林の管理経営に関する法律の一部改正案」を審議します。
 戦後植栽された国有林が利用期を迎え、伐期に差し掛かっています。これまでですと営林署が国有林を伐採して、市場に流していたのですが、林野事業も財政的に大変ですし、しかも人手不足でもあるため、民間事業者と国有林を管理するための、50年間ほどの契約を結び、民間事業者で伐採と搬出をしてもらい、一方で植栽は国有林ですので、国有林事業として、植栽費用は国が持ち植栽作業とその後の50年間の管理は、請け負った民間事業者にやってもらう、という法案です。
 つまり、国有林が維持できないため、民間事業に伐採と管理を委託するものです。もちろんどの事業者が当該国有林を管理経営するかは入札で決められます。5年ごとに契約更新が行われ、管理が行き届いていなければ契約が破棄されます。
 自民党では様々な議論がありましたが、農林部会で了承され法案は党議決定しています。
 野党は多分、国が森林の管理を放棄した、国有林が今後荒れ放題になる、などで反対の論陣を張るでしょう。しかし日本の山は現在も荒れた所が多く背に腹は代えられない状況でもあります。
 我が国の山をしっかり管理していくこと、そしてそれを木材の需要増につなげ、林業経済を活性化していくことは、まさに我が国の資源の有効活用でもあり、災害など国土保全のためにも重要ですし、一方で温室効果ガスを森林が吸収するなど、環境面でもこれから大切になってきます。
 最終的に野党が反対に回るのか注目しています。