鎮守の森の神社が次々に復活

2018年11月19日

 地元では、熊本地震で全壊や半壊した神社の再建が進んでいます。土曜と日曜日で2件の復興竣工式があり、地元紙でも地震で崩壊した各地域の神社の再建ニュースが掲載されていました。
 神社の再建については、宗教施設であるため、国は原則的には補助金を出せません。しかしこれでは地域の神社の再建は出来ません。しかも神社は造りが大きく、1000万円単位の再建費用がかかります。
 そこで平成16年の中越地震の時、当時の新潟県山古志村の村長だった長島忠美村長(その後国会議員へ、今年逝去)が国と折衝して、村の鎮守の森の神社はコミュニティー施設として位置付け、国が直接補助金を出すのではなく、県にコミュニティー施設再建補助金を一括して出して、その後、県の判断によって神社に補助金を出す、という仕組みをつくりました。
 これを活用して熊本地震では、県に国が復興基金を造成し、その中から県の裁量でコミュニティーの性格を持つ神社に再建費用の半額、限度額を2000万円として補助する仕組みにしました。そのため、昨年くらいから一斉に工事が始まり、今の時期に竣工する神社が多いという訳です。
 神社ですので、普通の大工さんではなく宮大工でなくてはならないところもあります。土曜日に行った「車帰菅原神社」(くるまがえりすがわらじんじゃ)は球磨工業高校の伝統建築専攻科の学生にお願いして神殿はつくられました。若い学生が震災復興のため実践的な教育を兼ねて、地域とともに行動するのは将来につながります。専攻科の一人はすでに京都の建築屋さんに就職が決まっており、今後神社、仏閣の宮大工として働いて行くそうです。心強い。