日銀総裁人事でひと悶着

2018年02月21日

 自民党内に「同意人事PT」というのがあります。日銀の総裁や副総裁、NHKの会長や経営委員長、公正取引委員会委員など各役所の許認可業務などを判断する重要機関の人事は国会の同意が必要です。そのためには人事案を議院運営委員会に提案して、本会議で採決の上賛成多数で同意してもらわなくてはなりません。
 そして、国会に提案する前に自民党に内閣が提示することになっています。その組織が「同意人事PT(プロジェクトチーム)」です。
 このPTには自民党衆・参議院それぞれの「国対」「政調会」「幹事長室」から1人ずつメンバーに選ばれて来ます。私は「幹事長室」からのメンバーです。
 特に日銀総裁やNHK人事などの時はこのPTで様々な意見が出ます。今回は黒田日銀総裁の再任が提出されました。既に2月10日の日本経済新聞の1面で続投の記事が出ています。
 一方で、「これらの重要人事が事前にマスコミに掲載されたら人事を認めない」という与野党の取り決めもあります。今回の日銀総裁は事前に新聞に掲載されたことで論議を呼んでいます。
 昨日そのPTが開かれました。私は幹事長室からの代表ですので、「いくら事前報道が禁止されているとはいえ、党の要である幹事長には事前に耳打ちされていいのではないか。そんなに党側に対する信頼性がないのか」と発言しました。それに触発されて賛同する意見が出されました。
 そして最後は、マスコミは報道するのが使命であるので、事前の報道は必至である。なぜこのような、「事前報道されたら人事を取り消すなどの馬鹿な取り決めがあるのか」という意見にまで発展しました。
 話を聴くと、以前の参議院議長の一存で決まったようです。これでは人事のたびにひと悶着起きることになります。まずこの協定を取り払うことから始めなくてはならないという雰囲気になりました。
 人事や予算は「俺は知らなかった。俺に連絡がなかった」というのが国会、地方議会を問わず常に問題になります。報道は止められない。その上に立って政治的にどのようにおさまりをつけていくか、古くて新しい議論を再びすることになりました。