ウクライナ・ゼレンスキー大統領が国会に訴え
2022年03月23日
オンラインによるウクライナ・ゼレンスキー大統領の日本の国会に向けての演説が23日午後6時から、衆議院第1議員会館の国際会議室と多目的ホールでありました。
会場の開門は午後5時半でしたが、既に国会議員の列が出来ていたという事です。私は5時40分頃会場に着きましたが、すでにメイン会場の国際会議室は満席、隣の多目的ホールに座りました。国際会議室は衆議院90席、参議員45席です。多目的ホールは衆参議員で353席ほどですが、10分前には既に多目的ホールも満席になっていました。
細田衆議院議長がまず「ロシアの侵略に対して私たちは断固としてウクライナを支援する」と挨拶され、大統領の演説が始まりました。
話は物静かな中にも、国を愛し、国民を愛する気持ちがあふれていました。1986年のチェルノブイリ原発の爆発によって生じたガレキを埋めた場所をロシア軍の装甲車が走り放射線をまき散らし、すでに環境被害出ている事、さらにロシア軍がサリンのような化学兵器を準備している、という驚愕の話もされました。ロシアは広大な国だけど、道徳心は最少の国、と批判しました。
子どもたちの多くが亡くなり、埋葬できない遺体が道路脇に横たわっている、という悲惨な光景も吐露されました。
「国際機関や国連は全く機能していない。改革が必要だ」と言われた言葉が印象的でした。
今回の侵略で国連の無力さを私たちも痛感しています。戦後75年、何とか機能してきた国連が全く機能しなくなっている姿は、今後、世界がどの様になってくか、不安です。
「日本はアジアで最初にロシアに制裁を加えてくれた。ウクライナの復興を果たし、住み慣れた故郷に戻りたいという気持ちはわかるはずだ。日本の発展の歴史は素晴らしい。日本の文化が大好きだ。私の妻が日本の昔話をウクライナ語に翻訳する運動をした。距離があっても価値観は同じだ。戦争反対の連立を組もう」と日本についても本当に大好きであることを語られ、連帯を訴えられました。
そして最後に「ウクライナに栄光あれ、日本に栄光あれ」と結ばれると、両会場から万雷の拍手が鳴りやみませんでした。
オンラインとはいえ、大統領本人の語り掛けは説得力がありました。必死の様子が伝わって来ました。演説を聞き終わり涙が出ました。
平和ほど尊いものはありません。私たちはいかに恵まれた環境にいるかを思い知らされます。この平和を維持し、一方で世界に広げていくための、戦いと努力をしていかなくてはなりません。東アジアもいつ何時何が起きるか緊迫感が漂っていますが、国民の命がいとも容易く失われていくような愚かなことにはならないように私たちが責任を持たなくてはなりません。
演説が終わり、様々な思いや感情が湧いてくると同時に、国会議員としての責務と覚悟が問われていることを感じました。