生乳関連法律が党内論議を通過

2017年02月23日

 昨日は「農林・食料戦略調査会」(西川公也会長)「農林部会」(小泉進次郎部会長)「畜産酪農対策小委員会」(坂本哲志委員長)の合同会議が開催され、昨年から論議して来ました、生乳の流通関連法律案が了承されました。今後党内の政策審議会と総務会、更に公明党との与党連絡会を経て、閣議決定され4月以降の国会での衆参農林水産委員会で審議されることになります。
 この法律は昭和の30年代の後半、牛乳生産が過剰になり大暴落をしたため、指定団体という組織をつくりそこに全量を委託して、指定団体の中で保存が利く加工用牛乳と保存が利かない飲用乳に分けて、需給を調整したうえでメーカーに出荷する、という方法をとりました。加工用は価格が低いためそれを補うために「加工原料乳生産者補給金」という補助金で差額を補填しました。その法律が昭和41年4月1日に施行された「加工原料乳生産者補給金暫定措置法」です。
 今回、政府の規制改革推進会議より「酪農家戸数は当時の20分の1に減少し、過剰生産の心配はない。指定団体に全量委託して需給調整しなくても、もっと生産者が自由に作って自由にどこにでも出荷されるようにすべきだ」という指定団体解体の提言をしました。
 これには指定団体はもちろん生産者、私たちも驚きました。指定団体には現在、日本の生乳の97パーセントが集まってきています。このシステムを崩すといかに酪農家が減少したとはいえ、再び飲用乳が過剰になり、価格が暴落することは確実です。このためこの3ヶ月間、生産者の自由度を守りながらも、実質的にどうしたら需給調整が出来るか、という仕組みを考え、それを「畜産経営安定化法」の中で恒久化しようと知恵を絞ってきました。
 その仕組みがやっと出来上がり、指定団体の了承も得ることが出来ました。そこで一昨日、自民党内に、法律案を公表し意見を求め昨日、指定団体や農協中央会にも出席していただき、全会一致で了承を得たところです。これで畜産酪農対策小委員長としての大きな仕事はほぼ終わりました。
 しかし今後、規制改革推進会議から農業分野において様々な規制緩和の提言が出てくると思います。規制緩和すべきところは実践していかなくてはなりませんが、余りにも「自由」だけを先行させると農村社会の混乱と格差助長につながりかねません。まだまだ「葛藤」と「模索」が続きます。